内容説明
ガリレオの指さす方向へ進んだ科学が到達した高み。そこから見渡される10の主要な科学理論をセレクトし解説する、『エントロピーと秩序』の名匠アトキンス渾身の1冊。
目次
1 進化―複雑さの出現
2 DNA―生物学の合理化
3 エネルギー―収支勘定の通貨
4 エントロピー―変化の原動力
5 原子―物質の還元
6 対称性―美の定量化
7 量子―理解の単純化
8 宇宙論―広がりゆく現実
9 時空―活動の場
10 算術―理性の限界
著者等紹介
アトキンス,ピーター[アトキンス,ピーター][Atkins,Peter]
1940年生まれ。オックスフォード大学化学教授、リンカーン・カレッジ・フェロー。専門は物理化学
斉藤隆央[サイトウタカオ]
1967年生まれ。東京大学工学部工業化学科卒業。科学書を中心に翻訳に従事する
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
115
進化、DNA、エネルギー、エントロピー、原子、対称性、量子、宇宙論、時空、算術・・現代科学の目を通して、わかりやすく世界をみつめることができる。科学って日常の中のあらゆるものに通じているから、人生観なんかにも繋がっていったりもする。万人ウケはしないかもしれないけれど、歴史から入るので比較的読みやすいし、わかりやすく構成されていると思う。こういう分野への入門書として科学史を中心にするっていうのがすごく新鮮で良かった。2014/06/30
popcorn
8
現代科学を分かり易く解説してある良書です。とは言うものの文系出身の私としては4割くらいは分かったかなという感じです。現代科学は真理探究の手段として抽象化すること(「本質的でないものを大胆に切り捨てる」こと)を軸にしてきたわけですが、この抽象化によってランダムにしか見えなっかたものが実は規則的なものだということに気づくことができ、世界がより把握し易くなるというのはすごいことだなと今更ながら思います。真理など存在しないと認識しながらも真理を探究し続けるのは一見虚しいことのようですが、実はそんなことないですね。2013/12/08
青木潤太朗
5
科学の読み物として恐ろしく完成度が高い。そして何より志が高い。読んでないと損をするタイプの本だ、と紹介して良いと思います。歴史にも触れつつ人類の科学が歩んできた「知」の基軸を、驚くほど分かりやすく丁寧に、それでいて専門的になり過ぎない絶妙のラインで共有させてくれるというか――読むタイミングによっては、人生観まで変わりかねない
常嶺
4
読むのに数か月かかった。 本当に素晴らしい本だと思いました。 今まで読んだ本の中で一番かもしれません。 ・・・こういう本を読むと、やっぱり理学系の進路を選ばないと、人生後悔するんじゃないか、と思ってしまう。2012/06/24
sekaisi
3
数学者が本気で無限を研究すると気が狂うらしい。2020/11/05