内容説明
復讐、虐待、束縛、背徳、疑心暗鬼…暗黒の深淵にたたずみ、卑しさ故に純美な五人のファム・ファタルと、翻弄され堕ちていく愚かな男たち…。狂気と愛憎の狭間で揺れ動く壮絶な人間模様を抉り出した「蝋燭遊戯」「老人と膿」「You裡」「代償」「夢の報酬」の五篇を収録。クライム・フィクションの鬼才が放つ現代悪女列伝。
著者等紹介
小川勝己[オガワカツミ]
1965年長崎県生まれ。2000年、現金輸送車の襲撃を計画した三人の素人女性と一人の気弱なヤクザを描いたクライム・ノヴェル『葬列』で、横溝正史賞を受賞して文壇にデビュー。本格ミステリと犯罪小説に跨がる独自の作風で注目を集めている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らむり
34
どす黒い女たちの短編集です。2015/08/12
bam
5
サイコパス女の短編集。なんていうか犯行動機がみんな摩訶不思議だよね。「You裡」「夢の報酬」この2つがお気に入り。「夢の報酬」は青春バンド小説からのミステリー。短編だけど読み応えある。2017/06/28
すみれ子
2
作者は人を苛々させるキャラクターを作るのがうまいです。キャバクラの女の子、ゆうりの狂気が一番後味悪かったなぁ。緒方先生の話は瑠璃子先生が出てくることから、恐らく「純情期」のスピンオフですよね?2010/05/07
DK
2
現代悪女列伝と銘打たれているが、一般的に想像するようなファム・ファタール的なものではなく、むしろ狂女といった言葉が相応しく、常人では及ばない論理で思考し、行動する女性達と不幸にもそれに巻き込まれる事になった哀れな男達の末路。もちろん狙っているのだとは思うのだが、いずれの作品も共通して嫌な後味を残す。 5編収録の短編集だが、「夢の報酬」は中でも完成度が高く、ミステリとして読んでも秀作。ちなみにこの扇情的な表紙は、刊行時には帯で下半分が違う図柄になる仕掛けだったらしい。2009/12/12
chika
1
真梨幸子さんの5人のジュンコが浮かびました。 現代版悪女の邪悪な物語!2016/11/13