三葉虫の謎―「進化の目撃者」の驚くべき生態

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  • サイズ B6判/ページ数 342p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152084446
  • NDC分類 457.85
  • Cコード C0045

内容説明

三葉虫研究に賭けた古今の研究者のドラマティックなエピソードを満載しつつ、三葉虫研究の世界的権威がその愛着のおもむくまま、あらゆる側面からこの生きものを活写した決定版「三葉虫読本」。工芸品のように面白く珍しい化石写真も多数収録。

目次

1章 発見―三葉虫との遭遇
2章 殻―四億年前のタイムカプセル
3章 脚―奇跡の化石が浮かび上らせた実像
4章 結晶の眼―常識をくつがえす高度の視角
5章 爆発する三葉虫―生物の多様性をめぐる大騒動
6章 博物館―化石研究の舞台裏
7章 生死にかかわる問題―断続平衡説と悲劇の古生物学者
8章 ありうべき世界―三葉虫が教える太古の地球
9章 時間―科学における時間の意味
10章 見るための眼―科学者のイメージ

著者等紹介

フォーティ,リチャード[フォーティ,リチャード][Fortey,Richard]
ロンドンの国立自然史博物館の主任古生物学者をつとめる。多数の著書あり。現在英国ロイヤル・ソサエティ会員

垂水雄二[タルミユウジ]
1942年大阪生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。出版社勤務を経て、1999年よりフリージャーナリストとなる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

192
三葉虫の本。ギリシアの神話や英文学からも気のきいた引用があって読者を飽きさせない。また、三葉虫について解ったことだけでなく、発掘の苦労や学会での論争についても言及され、学会も大変なんだなぁという裏の事情もうかがえる。これはこれで良い本だが、もう少しストイックに三葉虫のことだけ書いて欲しかった。眼がカルサイトで出来ているというのは面白い。奴らは劣った生存競争の敗者と見なすべきではなく、先進的な構造も持っていたそうな。2018/01/25

印度 洋一郎

5
恐竜と並ぶものの、ややマイナーな古生物・三葉虫の世界を、その研究の第一人者が熱く語る一冊。三葉虫の体の構造、多種多様な種類と生態、そしてその歴史などを、時に横道にそれながらも幅広い教養溢れる文体で紹介していく。この本を読むと、三葉虫がいかに奥深い世界を持っているかがわかり、今までとは違って目であの生き物をながめそうだ。一章を使って、スティーブン・J・グールドの理論に対する批判(個人攻撃に非ず)をしているのも面白い。それにしても、本書の執筆当時発見されたという、三又の角を持つ三葉虫はどうなったのだろう。2013/08/28

さいと

2
三葉虫にこんなにも種類があるなんて!表紙にある三葉虫しかみたことがなかったので驚きました。著者の三葉虫愛がすばらしい・・・2012/10/13

黒胡麻

2
化学合成細菌と共生していたかもしれない三葉虫や、ミジンコのような微小な遊泳性の三葉虫など、三葉虫にも色々な生態のものがいることを知り、興味深かった。生命40億年全史でもそうだったけど、著者は古代の風景を生き生きと描くのが本当に上手いと思う。2012/09/13

イソテルス

2
この本で節足動物が好きになりました。ソラックス(胸節)の説明で、三葉虫がいっぱい現代に蘇るソラシックパークとかどうだろう、とか三葉虫好きすぎて、フォーティ先生がたまに空回りするところが素敵です。三葉虫に関する専門的な話に、研究史、研究者の人間模様、先のようなフォーティ先生の妄想などが織り交ぜられていて、非常に読み応えのある本です。2012/09/06

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