内容説明
文化大改革の嵐が吹き荒れる1971年、医者を親に持つ僕と羅は、反革命分子の子として再教育のため山奥深くに送りこまれた。僕は17歳、羅は18歳だった。厳しい労働に明け暮れるなか、僕らは村に唯一ある仕立屋の美しい娘、小裁縫に恋をした。あるとき僕らは、いまや禁書となっている西欧の小説を友人が隠し持っていることを知る。壮大な愛や冒険の物語に僕らはすっかり夢中になり、これに刺激を受けた羅は、小裁縫にバルザックの小説を語り聞かせる。二人は次第に親密になっていくが、本によって自分たちの運命が大きく変わってしまうとは知らなかった…。在仏中国人作家が自らの青年時代の体験をもとに綴り、世界30カ国で翻訳された話題作。
著者等紹介
ダイ・シージエ[ダイ・シージエ][Dai Sijie]
1954年、中国福建省で医師の両親のもとに生まれる。1971~74年の間、下放政策により四川省の山岳地帯で再教育を受ける。高校の教師を経て、1978年四川大学に入学。1984年に、国の給費学生としてパリ大学に留学し、美術史を専攻する。ここでジャン・ルーシュ、エリック・ロメールなどの映画監督に出会い、その後、パリ大学に籍を置きつつ、フランス国立高等映画学院を卒業。監督した長篇映画に1989年「中国、わがいたみ」ほか二本がある。また、著者自身が監督を務めた映画も2002年春に完成の予定
新島進[ニイジマススム]
慶応義塾大学文学部仏文科卒、同大学院修士課程修了、レンヌ第二大学博士課程在籍中、フランス文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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