内容説明
遺伝子に突然変異を起こさせたショウジョウバエを巧みに用いて、ベンザー一派の科学者たちは、時間感覚に異常をきたす遺伝子、記憶力に影響する遺伝子、そして愛の生活に決定的な変化を加える遺伝子を次々とみつけだし、その成果はいまや、マウスやヒトにまで援用されつつある。もはや科学者の好奇心が躍動する余地のないゲノムビジネスを尻目に、ベンザーたちが切り拓いた「行動の遺伝学的解剖」という分野が、21世紀科学のもっとも新鮮で刺激的な最前線になったのだ。数々の天才的な閃きがちりばめられた、その最初期から現在にいたる経過をあますところなくまとめあげた、ピュリッツァー賞作家ワイナーの最高傑作。全米書評家協会賞受賞。
目次
第1部 オッカムの城(かくも単純な発端;白眼のハエ;生命とは何か;天子の指;新しい研究と暗い片隅)
第2部 コノプカの法則(最初の光;最初の選択;最初の時間;最初の愛;最初の記憶)
第3部 ピケットの突撃(ショウジョウバエの腕;本能のクローニング;本能を解読する;焼き焦がされた翅;神の芸術作品;パヴロフの帽子;荒涼たる山;われわれの状態の結び目;ピケットの突撃)
著者等紹介
ワイナー,ジョナサン[ワイナー,ジョナサン][Weiner,Jonathan]
1953年ニューヨーク生まれ。ハーバード大学を卒業後、科学雑誌「サイエンス」で編集者およびライターとして活躍したのち、科学ジャーナリストに。著作としては、ダーウィンフィンチの進化研究をあつかい、1995年ピュリッツァー賞を受賞した『フィンチの嘴』(ハヤカワ文庫刊)が著名
垂水雄二[タルミユウジ]
1942年大阪生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。出版社勤務を経て、1999年よりフリージャーナリストとなる
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