内容説明
武骨なボディ、爆音を轟かすエンジン―独特の魅力で乗り手を心酔させるハーレーダビッドソン。事実と異なる1947年の雑誌記事のために悪評を纒わされた巨大なマシンは、以後“地獄の天使(ヘルズ・エンジェルズ)”をはじめとする無頼者たちの象徴的存在として、「イージー・ライダー」など多くの映画や小説に登場した。メーカーの意図とは裏腹に不逞の薫りを増すバイカー・カルチャーはさらに、多くの真のアウトローやえせバイカーを惹きつけていく。一方、あい変わらず富裕層むけの製品を作り続けていたハーレーダビッドソン社は、高性能な日本車に市場を奪われ、経営状態を悪化させていた。創業者の血を引く天才デザイナー、ウィリー・Gは会社の危機を救うべく、スーツを脱ぎ捨ててアウトローに歩み寄るが…いまや「アメリカの魂」ともいうべきハーレーダビッドソンが米国の社会・文化の変遷のなかでたどってきた数奇な運命と、それをめぐる人々の多種多様なドラマを描いたノンフィクション。
目次
第1部 野獣目覚める(最初の遭遇;恐怖の誕生;イメージの破壊と創造)
第2部 伝説の起源(オネスト・マシン;リーダーの肩の荷;70年代への下降;鷲は一羽で飛ぶ)
第3部 大いなる復活(ロレックス旅団の突撃;デイトナ・シンドローム)
エピローグ 世界のカウボーイたち
著者等紹介
イェイツ,ブロック[Yates,Brock]
アメリカで最も尊敬されている自動車業界ジャーナリスト。《カー&ドライバー》の編集者。ネット局やケーブルテレビでもコメンテーターとして活躍し、《スポーツ・イラストレイテッド》、《ライフ》、《プレイボーイ》、《アメリカン・ヘリテイジ》、《リーダーズ・ダイジェスト》など多くの雑誌に寄稿している。ニューヨーク州ワイオミング在住
村上博基[ムラカミヒロキ]
1936年生まれ。1958年、東京外国語大学独語科卒。英米文学翻訳家。訳書に、『われらのゲーム』ジョン・ル・カレ、『女王陛下のユリシーズ号』アリステア・マクリーン、『瞬きよりも速く』レイ・ブラッドベリ(以上早川書房刊)、『レインボー・シックス』トム・クランシー、『盟約』C・W・ニコルなど
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