蘭に魅せられた男―驚くべき蘭コレクターの世界

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  • サイズ B6判/ページ数 312p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152083104
  • NDC分類 936
  • Cコード C0098

内容説明

古来から人々の心を惹きつけてやまない花、蘭。なかでも「幻の幽霊蘭」と呼ばれ、愛好家垂涎の的となっている花がある。その花の名はポリリザ・リンデニイ。見る者の目を一瞬にして奪い、どんな手段を用いても獲得せずにはいられない幻の蘭だ。そしていまだかつて、その繁殖に成功した者はいないという。そんな幽霊蘭の虜となり、果敢にもこの野望に挑んだ男がいた。園芸コンサルタントで奇矯なコレクターのジョン・ラロシュ。彼は、綿密な計画のもと、フロリダ州保護区から、幽霊蘭を盗みだすことに成功する。ラロシュはブラックマーケットでのみ売買される高価な植物を、最新のクローン技術を駆使して大量増殖し、富と名声を手に入れようと目論んでいたのだが…。栽培にまつわる薀蓄やコレクターたちの面妖な世界を巧みに織り混ぜながら、蘭をめぐる類い稀なる犯罪事件を描き、全米で大反響を呼んだ話題のノンフィクション、ついに刊行。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

水蛇

1
マニアというのは趣味や職業じゃなくて宿命なのだ。ここまでじゃないけど似たようなふうにしか生きられないからよくわかる。そしてそれは根本的に楽観家だということでもあると思う。「あるものを情熱的に愛する」ことで「世界は茫漠とした空虚な空間ではなく、可能性に満ちあふれている場所のように感じられるだろう」と著者が熱狂の中で悟ったように、この世界には底なしの美しさが眠っていてそれに出会うべく明日も自分の命は続くと信じる人間の特権。蘭は苦手なお花だからこそすべてが新鮮でおもしろかった。2024/03/25

よっちゃん

1
マニアと呼ばれる人種は往々にして常軌を逸するところがあるものだが、どうやら蘭マニアはその上手を行くものらしい。分業化されていて、人跡未踏のジャングルに新種を求めて命をかける人たち、それを密輸する業者、種に放射線をあてて突然変異を期待する人たち、珍奇な品種を大量生産する栽培業者、いかがわしい流通業者そして、末端の愛好家の群れ、さらに、それを品定めする評者とそれぞれが血道を上げて夢中になるもののようだ。風雅とはかけなれた世界であることを理解した。 古書収集家の犯罪小説はあるが、蘭は初のお目見えである。2003/05/03

黑猫

0
2002年4月5日読了2002/04/05

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