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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maja
10
第二次世界大戦末の1945年、ナチス・ドイツ占領下のプラハが舞台の猟奇殺人事件。ゲシュタポはドイツ人検事ブーバックを派遣してプラハ警察と共同で捜査を始める。誰もがドイツの敗戦を予期して立ち回るなかプラハの刑事モラヴァの実直さが初々しい。運命に翻弄されるドイツ人検事の心内が生々しい。水中で広がっていくインク模様の先端を追っていくかのようなグレーテを初めて意識するときの心の動き、時勢の流れと共にプラハに置かれたブーバックの心情が胸に滲みこんでくる読後感。 2019/06/24
いとう・しんご
9
アレントきっかけ。マルティン・ベックを思わせる本格ミステリーでありつつ、やがてU.エーコばりの歴史小説の趣も加わって、最後は都市の命運を巡る叙事詩となるという奥行きの深い一冊。「歌われなかった海賊へ」みたいな子供だましに食傷した方へ、お口直しにオススメの辛口で硬派な名作でした。2025/04/12
snowy
3
第二次世界大戦が終わる頃、チェコで起こった連続猟奇殺人。殺人者と、それを追うチェコ人刑事、ゲシュタポの検事。彼らの周りの女性たちも巻き込んで、揺れる政情に事件も展開し・・・壮絶な、凄惨な、物語でした。その後も国として災難は続くんだよなあ、と思いを残しつつ読み終わる物語。2011/01/29
Megumi
1
チェコの作家の本を読みたいと思って手にした本。第二次世界大戦が終わる前数ヶ月の間に起きた連続殺人を、ドイツ、ゲシュタポの検察官とチェコの刑事が解決するために奔走する。ミステリーとしても面白いし、戦時下の彼らの機微みたいなものに触れられて一気に読みました。 2024/03/21
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