内容説明
19世紀後半のイングランド。ケンブリッジ大学で歴史を教えているコーティンは、旧友に招かれ、大聖堂のある町サーチェスターに住む彼のもとを訪れた。コーティンがここに来た目的は、もうひとつあった。アルフレッド大王に関する貴重な史料が大聖堂の附属図書館にあることがわかり、それを調べたいと思っていたのだ。その夜、彼は旧友から、大聖堂で250年前に起きた殺人事件と、その被害者が今、幽霊になってさまよっているという話を聞く。その殺人事件はいまだに解決していなかった。コーティンは興味を抱くが、数日後、知り合いになったばかりの老銀行家が何者かに殺されるという事件が起きた。やがてコーティンは、過去の殺人と現在の殺人が織りなす悪夢のような迷宮の世界に踏み込んでいく…。趣向を凝らした構成と、幾重にも重なる謎。騒然たる話題を呼んだ『五輪の薔薇』の著者が放つ知的興奮に満ちたミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘブンリー
3
ようやく読み終わりました!19世紀末のイギリスのミステリアスな雰囲気は存分に楽しめました。でも正直なにが問題なのかよくわからなかった。わたしの頭が単純すぎるのかな???2011/06/19
みさ
2
アルフレッド大王の戦争+250年前の教会参事会の殺人+現代の銀行家殺しと3つの殺人事件が入れ子構造になり、謎解きが微妙に連動するのはすごい。しかし、関係者も全然違う3つの事件が絡み合うので、読み解くのが難しい!本の構造もプロローグとエピローグは手記の読者+メインは手記形式という、とにかくこの小説は構造が凝っている。正直、もっとわかりやすく書いてほしいと思ってしまう。その分エピローグでの現代事件関係者のその後は割と清々しく読めるので、読む人は頑張ってください。2022/04/01
だん
1
仄めかしのオンパレード、大聖堂内の権力闘争、過去の殺人事件、現在の殺人事件、が「よそ者」の史学博士の手記という形で展開されるために事件の全容がはっきりしないのがイギリスらしくていいと感じた。個々の事件自体はけっこう単純。2011/11/06
five_fox
1
2段組で十分長いけど、もうちょっと長くて最後が説明だけの解説じゃなかったら面白かったかなあ。 本格的なミステリーを望む人には物足らないかも2011/03/20
timeturner
0
メインになる殺人事件が起こるまでが長い! はじめのうちは失敗したかな、と思ったが、途中から徐々に加速がついてきて、あとは一気だった。2008/07/14
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