内容説明
「Xn+Yn=Znは、nが2より大きいとき、自然数解を持たない」―17世紀のアマチュア数学者ピエール・ド・フェルマーは、本の余白に数行のメモを書き残した。これこそが、のちに“史上最大の難問”と呼ばれ、数学者たちを悩ますことになった「フェルマーの最終定理」である。その後何世代にもわたって、有名無名の数学者たちや数学ファン、さらにはコンピュータまでもがこの定理の証明に挑んでは退けられ、いつしかこの定理は、解決できないものの代名詞になっていた…。だがついに、フェルマーの最終定理が解明される日がやってきた!栄光をかちえたのは、プリンストン大学数学科のアンドリュー・ワイルズ教授。しかし、その成功の陰には、悲劇的な最期をとげた日本人数学者、谷山豊をはじめ、多くの数学者たちの欲望と挫折のドラマがうずまいていたのである。フェルマーの最終定理が解明されるプロセスを軸に、古代バビロニアから現代にいたるまでの数学とその歴史の面白さを綴った全米ベストセラー、待望の邦訳。
目次
1 史上最大の難問が解けた!?
2 フェルマーの問題のルーツ
3 近代数学の巨人たちの遺産
4 数学は革命の馬車に乗って
5 日本人数学者の早すぎた夢
6 20世紀数学、最後の闘い
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