太陽王の使者

太陽王の使者

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  • サイズ B6判/ページ数 500p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152082138
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

内容説明

1699年、エジプト。カイロの街に住む風来坊の薬剤師ポンセは、路上で美しい女性と出会う。彼女はフランス領事の一人娘アリックス。互いに魅かれあう二人だが、あまりにも身分違いの恋だった…当時の北アフリカは、強大なオスマン・トルコ帝国の率いるイスラム教徒の支配下にあった。太陽王の異名をとるフランス国王ルイ14世は、そんな状況を打破すべく、途方もない計画を企てる。北アフリカ唯一のキリスト教国で、長らくの鎖国のため未知の国となっているアビシニアと同盟を結び、彼の地に楔を打ち込むのだ。だが、アビシニアへの道は遠く険しい。そのうえ強大なトルコや周囲のイスラム教国を刺激するような公式使節は送れない。太陽王の命を受けた領事は名案をひねりだした。カイロに住む民間人を密使として送ればよい。アビシニア皇帝は病に悩んでいると聞く。ならば医学知識を持つ者を送り込もう。かくして、白羽の矢はポンセに立った。アビシニアへの旅を首尾よく終えれば、報償として、アリックスにふさわしい身分を得られるのだ。前途に待ち受けるのは、危険な道中、未知の文化、野心と裏切りのはびこる権謀の都…愛する人への思いを胸に、大いなる旅が、今始まった。二つの大陸をまたいで展開される、波瀾万丈、絢瀾豪華の一大歴史冒険絵巻。ゴンクール賞最優秀処女長篇賞受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

em

14
太陽王ルイ十四世の17-8世紀。ローマカトリックとヨーロッパ諸国、オスマン帝国の微妙なパワーバランスを背景とした冒険小説。オスマン領のエジプト、コプト教会のアビシニア(エチオピア)、スペイン王位継承問題、ユグノー、イエズス会とカプチン会の勢力争い……この時代の北アフリカは大国から見れば駒であり、ローマからすれば手の行き届かない異端の地。そして欧州も、ローマも一枚岩ではない。途中でデュマのスタイルだと気づくほど本筋は明快であっけらかんとしているのですが、織り込まれた背景が複雑で飽きさせず、楽しめました。2017/12/11

sabosashi

6
1) 中世から近代にかけてヨーロッパとイスラム(オリエント)は対立し、拮抗し、交渉してきた。しかし対立といったシンプルな関係ではなく、いろいろな意味が込められていたが、今となってはそんなことを知るひとも少なくなっている。 (2) ヨーロッパとイスラムとのあいだには、外交という次元もあり、そのおかげでイスラム世界であるエジプトにもフランス社会が存在した。しかし本国にはまともに留まれないような種類のひとたちが吹き流れてきたというのも事実。周縁であり辺境である。2017/10/01

ブル-ス

1
幸福な人々については、たいしたことはわからないものだ。2020/02/05

まふ

0
大長編。リュファンの処女作というが、実によく細かく計算された筋立てであり、新人とは思えぬ出来。アビシニアという今のエチオピアへのフランスの開国要請の使節団を巡る文字通りの冒険談である。読んでいて「インディアナジョーンズ」のような痛快さを感じたが、やはり史実が幾分か残っているそうである。とにかくこのような冒険小説は愉快である。500ページのボリュームを感じさせない愉快な出来事であった。著者は医者であり、国境なき医師団の幹部であり、政治評論家であり、という多才な人物である。デユマ的な痛快感が素晴らしかった。2019/07/03

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