感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
fseigojp
21
これニーチェの永劫回帰のSF的回答? ヴォネガットも、いわゆる北部知識人だが、どうも南部作家にはシンパシイをもっていないようだ 本書ででてくるザナドーという保養所のスイートルームに、なぜかパール・バックとフォークナーの名は無く、ヘミングウェイ、スタインベック、ドスパソス、シンクレア・ルイス、ユージン・オニールの名の部屋はある 唯一言及のあるのはトルーマン・カポーティというところも北部びいきを感じる 南北戦争はまだ終わっていない?2016/08/02
リカーズ
2
時間の地震タイムクエイクが起きて10年前に戻ってしまい、人の記憶はそのままに全く同じ10年を再生しなければならなくなるSF…に、ヴォネガット自身のエッセイが入り乱れる話。高校以来10何年ぶりの再読。最初から最後までほとんどわけわからん!前回読んだときより知識が増えてるので意味は通るようになってきてるけどそーいう問題じゃなかった。キルゴア・トラウトの短編とかもあるけど、これが小説?面白いって言ってる人ホントにわかってるのかよと悪態つきたくなるほど難解だった。また10何年後に読んでも同じだろうな。2013/09/12
ハルトライ
1
面白い小説だった。エッセイ集では決してない。これは小説である。この物語の中には短編がいっぱい入っているし(その短編が結構面白い)創作の人物もいっぱい出てくるし、明らかに創作の場面もあるからである。ただ、作者本人が脱構築的に物語内に出てくるものではある。僕も正直完璧にこの小説を理解したとは思わないが、終盤に感動したし、PTAの現象に面白く思ったし、ところどころ挟み込まれているギャグに笑ったりした。だから、十分面白かった。2013/06/05
ヒロくん(脱脂)
1
小説というかエッセイ集。ヴォネガットのエッセイはとりとめがなくってやっぱり苦手だ…他のエッセイ集に載ってた話も何個かあって、意気消沈した年寄りの繰り言を聞かされてる気分になった。 うーん、しかしとりあえずヴォネガットの小説全部読んでから読み返してみます。2012/11/12
amanon
1
何とも不可思議な本。表紙を手掛けた和田誠氏のイラストのせいか、かつて夢中で読んでいた星新一のショート・ショートを読んだときのような感覚に陥った。あとバーセルミの読後感にも似ているか?著者自身にまつわる出来事、そして著者をかなり投影させたと思わわれるトラウトにまつわる出来事が虚実ないまぜになって語られていくその流れに読者はただただ身を委ねる他ないということなのかもしれない。深読みしようと思えば、いくらでも深読みが可能なのかもしれないけれど、とりあえずはその軽妙な語り口を楽しんだという感じである。2012/02/02




