内容説明
1941年、当時7歳だった少女ミーシャの両親は、暮らしていたブリュッセル近郊の隠れ家からナチスに連行された。一人残されたミーシャは、ベルギー人の一家に養女として引き取られる。しかし、里親となった家族の冷たい仕打ちに耐えかね、彼女はそこを逃げ出して、両親を探すためドイツに行こうと決心する。それが、4年の歳月と3000マイルにおよぶミーシャの一人旅のはじまりとなった。しかし、ドイツにたどりついても、どうやったら両親を見つけられるか、見当もつかない。飢えをしのぐため民家に忍び込んでは食料を盗みだし、ドイツ兵の残虐な行為に目をおおう。そして、戦禍を避けるうち、いつしか国境を越えて、遠くポーランド、ウクライナに足を踏み入れることになる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しーまま
1
映画を観て、原作を読んでみました。映画同様、苛酷すぎて辛くなりました。2009/06/01
ni-ni-
0
ナチスに連行された両親を探して、四年間で約五千kmを一人で旅する少女の回想録。ただ、後にこれは創作であったと著者が明かしたとか。どちらにしろ、とても引き込まれるし読み応えがあった。人間の恐ろしさ、戦争の悲惨さがよく描かれている。2012/01/14
わん
0
現実じゃないみたいな話?2011/08/31
ねこつばき
0
うすうす気がついていたけど、映画公開時に全てフィクションだったと知った時にはかなり腹が立ちました。
蚊取り線香
0
淡々とした語り口と苛烈な内容は一貫していて、ナチス憎しというよりは、移り変わる季節と風景がメインで進む。動物好きだという作者の描くオオカミの姿やレジスタンスは、ロマンス小説のようでもある。2009/05/26