内容説明
1939年、砂漠で碑文の発掘を続けていたドイツ人考古学者ムラーは、ついにシバの神殿の発見に成功した。第二次世界大戦の勃発を目前にひかえ、折りしもスエズ運河の破壊をたくらんでいたヒトラーは、神殿を破壊工作の拠点とするべく、ムラーをベルリンへ召喚する。一方そのころ、アデン湾に臨む港町ダーレインをねじろにするアメリカ人船長ギャヴィンのもとを、イギリス人の女ルースが訪ねてくる。神殿をさがしもとめて行方不明になった夫を捜すため、協力してくれないかというのだ。かくして砂漠へ向かった彼らの行く手では、世界を揺るがすナチス・ドイツの陰謀が着々と進行していた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
橋川桂
10
1939年、第二次世界大戦勃発直前、伝説のシバ王国の神殿を探して南アラビアに入り消息を絶ったイギリス人考古学者を探すアメリカ人船長が、その神殿を謀略に利用しようというドイツ第三帝国のもくろみに巻き込まれる。この作者らしい冒険エンサスペンスだけど、60年代に書いてた旧作の再刊ということは差し引いて読んだ方がいいかもしれない。クライマックスの流れがいくらか駆け足で単調。映画でだったら丁度いいスピード感なのかもしれないけど、小説だとなんかあっけない。2018/12/19
しゃー
2
この異常な読みやすさは一体どういうことなのか…煌めく翻訳マジックに感嘆の念を抱かざるを得ない。マリー登場シーンで年齢を知ってちょっとがっかりしたけど(若すぎないか?と)、 これがまあ賢くていい女なのでどうでもいいかとなりました。2018/10/05