内容説明
落馬事故によって片腕となった元チャンピオン・ジョッキイ、シッド・ハレー。現在は競馬界専門の調査員となっていたが、放牧中の馬の脚を切断するという残忍な犯罪が連続して発生、かわいがっていたポニイを襲われた白血病の少女から、犯人を捜してほしいと依類される。だが、容疑者とした浮かび上がったのは、ハレー自身が犯人とは信じたくない人物だった。エリス・クイント―騎手時代のよきライヴァルで、私生活でもハレーの親友だった男。引退後は、テレビ・タレントとして国民的な人気を博し、誰からも愛される好男子だった。もちろんクイントは犯行を否定し、世間も彼が犯人とは信じなかった。かえって、恵まれているクイントを妬むあまり間違った告発をしたと、ハレーはマスコミからごうごうたる非難を浴びる。ところが、この執拗なマスコミの攻撃には、じつは裏があることが次第にあきらかになってくる…。『大穴』『利腕』につづき、不屈のヒーロー、シッド・ハレーが三度目の登場を飾る、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほっそ
7
警察官でもない、民間人の調査なので、限界もあるのでした。 このシリーズで、一番すきなのは、元妻の父というチャールズ。懐の深い人である。 またチャリティの一環として、「フランシスの作品に、自分の名前を登場させる権利」のオークションがあったらしい。事件の鍵となる布を織った職人の名前として、出てくる。日本でもやらないかな?2010/12/23
Gaooo
4
探偵小説のスリルを味わえると同時に、主人公シッドの誇り高き生き方に魅せられる。一気に読めた2017/11/05
よっちゃん
4
シッド・ハレー三作目2013/08/25
西村章
3
刊行当時の『このミス』を見てみたら、自分の寄稿で海外部門1位に挙げていたなんてすっかり忘れていた。で、今回再読して思ったんですが、これずいぶんヘンな小説ですね。世論とメディアの反応(某新聞社の論調が偏る理由は説明されているけど)や、パスワードのかかったファイルを自宅コンピュータに転送する方法など、根本的な部分に大きな欠陥があると思うんだけど、ただ、シッド・ハレーの裡なる道徳律と行動原理を愉しむ小説、という点では、前2作同様に太いテーマが貫かれていることはまちがいなくて、その点では充分に面白かったです。2025/07/05
tai65
3
星5つ2023/12/17
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