内容説明
魔都ニューヨークへ戻ってきたバークの許に、NY市警殺人課の女刑事ベリンダが会って頼みたいことがあると執拗に連絡してきた。一方、バークは幽霊ヴァンの一件以来、ベリンダと同じ殺人課の鬼刑事モラレスにもつきまとわれていた。バークはとりあえずベリンダに会うことにした。彼女の頼みというのは、連続レイプ殺人犯として逮捕されたジョージ・ピアソルは冤罪であり、それを証明するのに力を貸してくれということだった。彼女によれば、ピアソル逮捕の直接のきっかけになった事件には矛盾があり、署内の人物によって細工が施された形跡があるらしい。しかも驚いたことに、その人物はモラレスだと彼女はいう。バークは弁護士も加えてピアソル本人に会ってみたが、そのときのピアソルを見つめるベリンダの視線が妙に気になった。半信半疑のままバークは、馴染みの新聞記者や仲間たちとともにモラレスの過去や行動を調べていくと、たしかに、モラレスが真犯人ではないかと思えるような性向や事実がわかってきた。しかし、どう考えても、バークにはしっくりこなかった。そしてバークは、ベリンダの性急な働きかけとモラレスの圧力をかわしきれないまま、油断ならぬ無気味な空気をひしひしと感じさせられていく…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
58
アウトロー探偵バーク・シリーズ第8作。やはりこのシーリーズは良いですね。特にバークとファミリー達の絆が何とも言えない。そしてニューヨークという街の描き方も良い。1970年代に初めて行った、ニューヨークを彷彿とさせる。2020/04/18
タナー
12
久々の再読。初めて読んだ時とは比較にならないほど分かりやすく、楽しめた。このシリーズの魅力は何と言ってもバークとそのファミリーの面々の、個性豊かなキャラだろう。本作では新たに登場したフランキーも、なかなかいい味を出している。ミシェルが出てこないのは、ちょっと残念な気もするが。女刑事ベリンダと、鬼刑事モラレスのキャラも、この物語をより面白くしてくれている。大好きなシリーズのひとつであるだけに、「グッド・パンジイ」の後、日本で翻訳が出ていないのはとても寂しい。2018/07/12
bapaksejahtera
10
アウトロー探偵シリーズは順に読んできたが本作はその8作目。バークは次第に暴力性を薄めてきて読み手は寂しい思いをするのだが、本作では多少ながらそれが復活した。バーク探偵に女性刑事が受刑者の一人を冤罪であるとして助力を求める。これまで警察側からのバーク理解者であったマゴーワンを相棒から外し引退に導いたモラレス刑事がしつこくバークに付き纏う。事件と犯人の動機は意表を突き、プロットとしては宜しい。また新たにバークの「ファミリー」にボクサー志望の若者が加わり彼の成長譚が重なる。小説としては「復調」である。2020/09/17
ゆりっぺ
0
1998年1月6日
丰
0
愛しているふりをするのは楽だが、欲情しているふりをするのは楽ではない2011/03/21