内容説明
コネティカットのランディー・ケンブリッジという十九歳の若者からバークに仕事の依頼が入った。ランディーの母親は、昔バークがロンドンで知り合ったクラブのウェイトレス、チェリイだった。バークは若者の話を聞いてやった。彼は最近、自分の周囲で十代の友人の自殺が続いているが、自分も死ななければならないような気がして不安だからボディガードをしてくれという。いまひとつ釈然としない話だったが、バークはコネティカットに赴き、調査をすることにした。母親が海外出張中のランディーの家には、ファンシイという三十代前半の女が出入りしていた。彼女は最初から思わせぶりな様子で、バークをSMプレイに誘うが、バークは肉体は支配できても心までは支配できないことを思い知らせた。そしてファンシイにはチャームという双子の妹がいて、少女の頃、父親からひどく虐待されていた。一方、依頼人のランディーと日を過ごすうちに、バークは気のいいこの若者に好感を抱くようになった。バークの調査が進むにつれ、自殺した若者たちに共通する事実も判明した。それは、彼らが精神科医ドクター・バリモアの診療所に通院か入院をしていたという事実で、背後には残忍かつ非情な秘密が隠されていた。NYのアウトロー探偵バークとその仲間たちが三年ぶりにカムバック。ノワールな味わいを強めて再開する人気ハードボイルド・シリーズ第七弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
6
アウトロー探偵シリーズ第7作目で流石にトーンが変わってきた。閨房シーンが多くバーク及びその徒党の痛快活劇は無い。怪傑マックスの活躍は無論無い。ストーリーは周辺の友人が次々と自殺することに恐怖を感じた若者がバークに保護を求めに来る。若者はバーク旧知の女性の息子だった。結末。連続する自殺の元凶は意外にも..というところ。老いを自覚し始めたバークに切った張ったの活躍がキツイのも理解しないではないが、シリーズの売りだったスタイルの終焉は残念だ。筋の展開に無理がある本作。シリーズはまだ続くようだ。奮起に期待しよう。2020/09/10
ろみ
1
再読。前作「サクリファイス」でブツリと切り落とされたエンディングの後、バークの静かなひそやかな再生の物語、と言えるかも。2014/04/09
Tsutomu Yamamura
0
ニューヨークのアウトロー探偵バークのシリーズ第7弾。ハードでタフな主人公は相変わらずですが、ストーリーからはハードボイルド風味やバイオレンスはだいぶ薄くなっています。2016/12/26
ゆりっぺ
0
1998年1月20日
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- 電子書籍
- キー入力がみるみる速くなる タイピング…