海外SFノヴェルズ<br> 銀河帝国興亡史〈7〉ファウンデーションの誕生

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銀河帝国興亡史〈7〉ファウンデーションの誕生

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  • サイズ B6判/ページ数 393p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152079657
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

第一銀河帝国の崩壊を予見した科学者セルダンは、自ら発展させた心理歴史学を実用的な学問として完成させるために、帝国の首都惑星トランターに留まる決意をした。だが、その行く手には数々の難問が待ち受けていた。セルダンの友人で、心理歴史学研究を蔭ながら保護する首相エトー・デマーゼルを失脚させようとする企み…凡庸だが平和主義者で、セルダンに好意的な皇帝クレオン一世の暗殺計画…いずれも、ひとつ間違えば帝国衰亡の速度を大幅に加速する事態になりかねず、セルダンは全力で問題に対処してゆく。だが皮肉にも、人民にとって不吉な予言を伝達するセルダン自身がトランター住民の怒りを買い、執拗な攻撃を受けることになってしまった。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ミネ吉

14
ファウンデーションシリーズの第七巻にして最終巻。しみじみとした余韻に溢れる良作だった。心理歴史学者ハリ・セルダンの40代からその死、ファウンデーション設立までの困難が描かれる。本作はSF大作の最終巻ではあるが、どちらかというと人間ドラマの方に重きを置いているように思った。老齢となり徐々に衰えていくこと。愛する家族や仲間たちが徐々に喪われていくこと。アシモフ自身が本作を書いた後で亡くなっていることも相まって、なんとも言えない寂しい思いに包まれる。これで終わりなんだな。2025/04/20

がんぞ

5
アシモフの未来史シリーズの最終巻にして遺作。銀河帝国はクレオンⅠ世の暗殺以降、ローマ帝国と同じく、“皇帝は軍部が決める”実質軍政となった。前作で学者ながら格闘技に長けているところを披露したハリ・セルダンだったが、ドース・ヴェスプリを失い60代70代となりボディガード必須となってきたところに、トランターの治安が悪化、老人軽視。1500兆の頂点にいる皇帝でも銀河図書館&心理歴史学にクレジットを給与できないと?第1巻のはじめ「やむを得ないことだが、個人操作もおこなっている」ピタリと着地。作者享年72歳、’92年2018/06/24

スターライト

5
タイトルとは裏腹に、本書は「喪失」の物語でもある。セルダンはたしかに幾多の困難を乗り越え、ファウンデーション設置の道筋をつけることができたのだが、課題を一つ克服するごとにかけがえのないものを失っていく。これでアシモフによるファウンデーションの物語は終わるが、シリーズ開幕当初の勢いがラストでは見られなかったのは残念。セルダンとともにアシモフも死期を感じていたのだろうか。本書の出版を見ることなく、アシモフは72歳の生涯を終えている。2010/10/03

A.Sakurai

3
心理歴史学に取り掛かったハリ・セルダンの人生を10年毎に叙述してファウンデーション成立までを描く.ミステリー風味を絡めて波乱万丈に描くがストーリー自体はそれほど面白いとは言えない.しかし,これが遺作と思うと随所に描かれる老いの苦吟,思うようにならない人生,衰退する世界のやるせなさ,家族を持つ喜びと別れの悲しさなどが,まさにアシモフ本人から漏れ出しているようで胸詰まるものがある.2016/12/25

aki

1
ファウンデーション誕生直前のハリ・セルダンの活躍を描く。7作のラストシーンが第1作の冒頭部分につながる。3作以降、著者は歴史小説ではなく、ミステリーを書いた。第1~2作前半にあった重厚感が、すっかり消えてしまったのは残念。あってほしかった銀河帝国興亡史第7巻はファウンデーション帝国の崩壊かな。辺境の新興勢力が勃興し、徐々に勢力圏を広げていく。窮地に陥ったファウンデーション帝国は起死回生をねらってセカンドファウンデーションとの連携を図るが、セカンドファウンデーションの巧妙な罠にはめられ…という展開。

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