内容説明
日本の生徒に「生きた英語」を教えるべく、若きブルース先生は栃木県の中学校へやってきた。そこで先生を待っていたものは…エンカイ、カラオケ、ロテンブロ、そして儀式のごとくオジギが繰り返される毎日だった。別になんのことはない。ありふれた日本の日常である。が、ブルース先生にとっては疑問の連続だ。しかも、日本の生活を知れば知るほど、謎は深まっていく。ウンドーカイ、ケッコンシキ、ゴーコン、ラブホテル…。イナカの町に、外国人はブルース先生ただ一人。習慣や考え方のギャップに悩みながらも、同僚や生徒たちとの心の交流に支えられ、先生はニッポンの日常生活に隠された「秘密」を探っていく。思わずはっとし、つい身につまされるエピソードの数々をちりばめつつ、日本の教育も真面目に論じた、小市民的な視点から見た日本論。
目次
開いたドアを通って
赤信号と緑のお茶―“線を引く”ということ
方法を学ぶ―学校での第一日
暗闇の顔―歓迎パーティ
ピンクの帽子と心の鍛練―運動会
地方に行く―栃木の秋
黒く塗った頭と短いソックス―中学校の制服検査
円のなかで―入院さわぎ
ゴミの日―日本の学校における忠誠の契り
壜入り牛乳とプラスチックの箸―学校給食で失われた技術〔ほか〕