内容説明
1926年の冬、黒人たちのシティ。男が女を撃ち殺した。女は18歳の愛人だった。葬儀の日、柩の中の女の顔に、男の妻がナイフで切りかかった。ジャズの即興のように過去、現在、未来を自由に往来しながら、謎の語り手によって明かされる事件の周辺。深遠や愛の物語に木霊する情熱、詩情、そして官能―センセーションを巻き起こした話題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソングライン
19
1920年代のニューヨークの黒人街、中年の男が18歳の愛人を射殺し、その妻はその葬儀の場で愛人の顔を傷つけようとナイフを振り上げる。何故、男は射殺したのか、その後も罪を償うことなく夫婦二人で何故生活できるのか。物語は3人の無常な過去を振り返りながら、事件が何故起きたのかに収束していきます。他人からの愛、他人への愛を知らずに育った男の50歳にして知る愚かとは一言では片づけられない愛、その愛を許す妻、そして差別が原因にあった死の真相、何ともしがたい運命に胸が締め付けられます。2022/01/06
美穂
3
正直に述べると、久しぶりに難解な、私の頭の中にすっと入ってこない文章だった。自信が無いままに読み進めていくと、なんとか全貌が明らかになっていくように感じた。でも、ストーリー的にも面白い感じはした。ジャズのように確かにいろいろと感じた。香りや雰囲気と言った具合ではないにせよ。ちょっと歴史に触れられた感は私としては良かった。2016/03/08
meg
1
一文一文すべてが熱い。魂 痛み。美しい、と生きることは。 肯定すること。優しさ。 生まれた希望。2023/01/24
あ
0
再読2008/11/14