内容説明
チャーチル首相を誘拐せよ。オリジナル原稿をもとに、最初に刊行されたときに削除されたエピソードを忠実に復元。冒険小説ファン待望の決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
辺野錠
10
望月三起也先生の本で言及されていたので手に取る。確かに時代背景と言い作風と言い望月三起也先生風味。ドイツ側の軍人が主人公で悪役と言う立ち位置ではないのがユニーク。しかしそれだけに突発的に行った人命救助が全てが露見するきっかけになるのは余りにも皮肉だった。秘密である作戦がひょんなことから警察に目を付けられるのもスリリング。結末で明かされる事実も余りにも皮肉でクライマックスでの男気溢れた男達の行動は無駄だったのかそうでないのかと思ってしまった。2019/04/18
てらこ
8
第二次世界大戦中、ナチス政権下のドイツ。自由な発言も許されず、党に背いた者は即拷問または死刑……と鬱々とした空気に満たされていますが、その中で光るのはやっぱりシュタイナ中佐のかっこよさ。権力と保身を目的に行動する軍上層部の姿が、最後の最後までブレないシュタイナ中佐の潔さをより一層際立たせる気がします。作戦開始後はハラハラしすぎて動悸がしました。こんなに優秀な人たちが人生を全うできる時代に生きていてたら…と思わずにいられません。2019/06/23
ジロリン
6
冒険小説の金字塔。物語の骨格となる奇想天外なWW2秘史のアイデアだけでも充分面白いが、登場人物が脇役に至るまでいちいち魅力的。「これほど数多くの勲章を身につけている男たちの集まりを、いまだかって見たことがなかった。第一級鉄十字章をつけていない者は一人もおらず。戦傷バッジや戦車破壊バッジといったたぐいの記章は二束三文の感じであった。」この下りに痺れる。この描写だけでシュタイナと、彼の率いる部隊の性格がイメージできる。2012/04/01
トランザム7000
5
Book Cafeで手に取り、面白かったので図書館本で読了。時間をかけて読んだために、登場人物が多く名前が覚えられないという点がマイナス。やはり一気に読まないとあかんですね。映画を見たくなりました。2024/02/02
デルタアイ
5
WW2のドイツ チャーチルを誘拐しろという途方もない要求がどんどんと具体化していき 完璧に見えた作戦にも綻びが生じて スパイや兵士、警察や村人が加わりとんでもない方向へ 史実にもとづいたとは驚きだが 常に極悪非道で書かれるドイツ兵 本作では出てくるヤツらが皆タフでカッコ良い ☆8.82023/06/29