Hayakawa novels<br> 大陸漂流

Hayakawa novels
大陸漂流

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  • サイズ B6判/ページ数 408p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784152077271
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

ニューハンプシャー州の田舎町カタマウント―雪のちらつくある寒い日の午後、修理工のボブ・ドゥーボイズは突然自分の人生に耐えられなくなった。何ひとつ大きなことを成し遂げないままに、この寂れた町で30歳をむかえてしまった。だが、自分にはもっと華々しい未来がひらけていたはずではなかったのか。ボブは人生のやり直しをかけて全財産をステーションワゴンにつみこむと、妻子をつれて夢のフロリダへと旅立った。一方そのころ、やはり夢を求めてアメリカへ渡ろうと苦闘している若いハイチ人の女性がいた。アメリカに行きさえすれば、何もかもうまくいく―。そう信じて彼女は、自分の赤ん坊と幼い甥とともにカリブ海へと乗り出していった。やがてふたりの人生が交鎖したとき、そこには思いもかけぬ運命の罠が…。やみがたい衝動に突き動かされてアメリカン・ドリームを追い求め、人生の意味を模索しつづける男ボブ―その魂の叫びを壮大なスケールと力強い筆致で描ききった、ロード・ノヴェルの最高傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

20
仕事と家庭、どちらもそこそこ上手くいってた男の不安。仕事をやめて全部処分して新しい地、新しい仕事につく。そこでまた生活におわれ、あまり上手く行かなくて「何かちがう」と思って、別の地へ。平凡な日常に死ぬまでの道が見えてしまったことの恐怖。自分も理解できる。この繰り返しの中で本当の自由を手に入れているのか。 別の人物も出てくる。貧しくて生きるのが困難な国をでてアメリカへ向かうハイチ人。この行程はとても辛い。平凡な日など黄金の様に貴重に見えるくらいの過酷な旅。ラストは現実的。生きるのは本当に大変。2024/10/31

田中

16
「現在のアメリカで、間違いなく、もっとも力のこもった小説を書く作家の一人である」と村上春樹が断言するバンクスの作品。読むのが楽しみでした。白人夫妻ボブとエレインが破滅した物語だろう。ボブの心の断面が実直な告白で迫ってきた。希望が「幻想」になるのは紙一重。着実だけと凡庸で先がみえる生活に苛立つボブの気持ちに共感はできる。が、描いた将来像が見事に逸失する。一方では、米国に行けば幸福になれるとハイチから脱国するヴァニーズとクロード少年のブゥドゥー教を介在した切ない物語。二人が邂逅した合作。感動しました。 2019/11/02

コウジ

0
初読でした。実生活の方でやや、落ち着かずでしたので、読み終えるまでに2カ月程度かかってしまったのは著者の言い回しなどにどうしても馴染めず辟易してしまったからだろうか。ロードムービー的な小説ではあるものの、自分の中では消化不良な本でした。 アメリカンドリームを追い求める主人公にも感情移入出来ませんでしたし、時代的にも拝金主義的な匂いの強い本でした。 結局、資本主義は弱者の犠牲若しくは搾取の上に成り立っているが、その構造の中でもがき生きる人がテーマだったのろうか・・・・2015/07/29

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