内容説明
『長いお別れ』で出会った大富豪の娘リンダ・ローリングと結婚した、私立探偵フィリップ・マーロウは、高級リゾート・タウン、プードル・スプリングスの豪華な新居に落ち着くことになった。だが探偵稼業をやめたわけではない。新妻の財力に頼らず、町のはずれに新しい事務所をひらくと、噂をききつけたのか、早速、怪しげな依頼人がやってきた。賭けの借金を払わずに姿を消した男を探してほしい、とカジノ経営者のリピイという客は頼み込んだ。看板を掲げている以上、どんな依頼も引き受けざるをえない。そして仕事をはじめると、事は意外な様相をみせるのだった…。レイモンド・チャンドラーの未完の遺作を、当代随一の人気ハードボイルド作家ロバート・B・パーカーが師のあとを継いで30年ぶりに完成させた超話題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sakadonohito
14
初めてのマーロウシリーズ作品をなぜか最終作から読んでしまいました。しかもチャンドラーが未完成のうちに亡くなりロバート・B・パーカーが引き継いで完成させた本作をです。物語としては面白く読めした。なかなか真犯人が分からないし、せっかく保護した渦中の人は行方をくらますし。。純粋なミステリーではなくハードボイルド私立探偵ものなのでエンタメ作品として読むのが正解と捉えました。ただ、ハードボイルド演出のための気障なセリフまわしにシュールを感じてしまい「ギャグなのかな?」とたびたび困惑しました。2023/01/23
五月雨ザバレタ
2
第4章までチャンドラーが書いて、途中からパーカーが代筆をしたチャンドラー未完の遺作。正直マーロウの仮面を被った、別のタフガイが事件を解決しているように見えた。最後の方の展開もわかっちゃったし、何よりもマーロウの周りを彩る狂人的な登場人物が出てこない。マーロウシリーズというより、同人作品に近い感じがした。決してつまらなかった訳ではないけど。2018/09/15