Hayakawa novels<br> 恥

Hayakawa novels

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  • サイズ B6判/ページ数 334p/高さ 20X13cm
  • 商品コード 9784152076694
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

「悪魔の詩篇」の著者の話題作。すさまじい愛と確執の物語。血なまぐさいパキスタン現代史に材をとり、現代を予見してしまった問題の書。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

120
not quite Pakistanな舞台や作者の背景を全く知らない人が読んでも、受ける衝撃は大して変わらないのではないだろうか。これは創作とは言え、作者が湧き出るものを作品にしたのだ。捻り出したものではない。それが、登場人物のすぐ横にいるような臨場感や、その場に居合わせるような恐怖感をもたらすものだと思う。彼は当事者に近いから「恥」としたのだろうが、私には「憎悪」「悪」そして、それらを伝搬させる「炎」を感じる。一度で消化しきれないものを読み直したくても、目をそらせたくなる恐ろしさがある。2017/01/05

勉誠出版営業部

2
サルマン・ラシュディの『恥』を読了。父親が分からず、割礼も施されなず、まさしく「恥」ずべく存在として生を受けた、パキスタン生まれの少年の一生を描いた、一大叙事詩。虚実の境目が分からない上、パキスタン情勢を知らないと理解しずらい部分も多いですが、いわゆるマジックリアリズム的な作品が行きな方にはおススメ。2017/04/17

→0!P!

1
恥は暴力の源泉であり、これはパキスタンという国の運命(そしてこれはアジアの病痾)である。侮辱とtakalloufという二重の屈辱を与える行為と忘恩、復讐という恥知らずな行為を繰り返して、互いの血肉を喰らい合う。歴史の根拠(インド)を失い、さながら初めからインドなど関係なかったかのように振る舞わなければならない帰属を失った国のもがく姿が描かれている。イスラーム国家を追求すればするほど、国民は宗教そのものに辟易していき、それは分断につながっていく。2023/06/28

まぐりふ

1
序盤、登場人物の名前や関係性が全く頭に入ってこなく、ちょっとしんどい思いをしたけど、中盤以降、すっかり引き込まれた。『ムーア人の最後のため息』でも思ったけど、女性の存在感が圧倒的で、男はその掌で踊らされるものという認識が、この作家にはあるのかも。2014/12/21

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