内容説明
パーム・スプリングスの別荘から、富豪ワトスンの息子がロールス・ロイスとともに消えた。FBIの捜査もむなしく、事件は迷宮入りとなった。それから17か月もたって、ハリウッド署のシドニー・ブラックプール部長刑事がワトスンに呼び出された。行方不明になった当日、息子がハリウッドのロールス・ロイス販売店に寄ったことが今になってわかった、もう一度ハリウッド署に事件を調べ直してほしいというのだ。警察小説を書かせては並ぶもののないウォンボーが、鮮やかなプロットに深い味わいを添えて贈るミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
12
同著者のハリウッド警察小説と異なり、金持ちの集まるパームスプリング裏側の田舎町が舞台。温泉は出るが匂いを隠れ蓑にしたヒロポン製造が盛ん。住民は警察を作って町興しを図る。町の山間部で殺人事件が起きるが犯人は挙がらない。被害者の父親の金持ちが、ハリウッド署から刑事を呼び寄せ、金を与え豪華な休暇と金を与え、事件を捜査させる。小説は先ず田舎警察創立の人集めをユーモアたっぷりに描き。なかなか本題に入らない。主筋は主要登場人物達が息子を亡くした父親という設定。終盤で途端に深刻な雰囲気に転換する。実力作家の佳作だった。2024/07/10
脂肪分
0
2002/12/24
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- 和書
- プリンス近衞殺人事件