Hayakawa novels<br> 夢見た旅

Hayakawa novels
夢見た旅

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152076038
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

minami

55
「結婚生活はうまくいってなかったから、わたしは夫のもとを去ろうと考えていた」もう書き出しからグッと引き込まれた。シャーロットが家を出ようと思ういきさつと現実に起こる銀行強盗事件が交互に語られる。衝撃な事件のはずなのに、夢の中の出来事のようにふわふわして時々ユーモラス。シャーロットの人生を振り返ると、家族に束縛され続けて自分の意志のないような生き方に見える。でも実際の「旅」のおかげか、それとも元々の彼女の本質なのか、なんて自由なんだろう。清々しい。片岡義男さんのあとがきも良かった。映画を観ているようだった。2022/08/13

白のヒメ

45
一握りの人達を除いては、ほとんどの人が平凡で似たような毎日を送っているのだと思う。この年になってみるとそれこそが幸せだと思えるけれど「こんなはずでは」と思う事もあるのだろう。生まれた家で幼馴染の婿を取り、母親と同居して懐かない子供と暮らす。ここ以外のどこかへ行ってみたいと痛いほど思う主人公の気持ちには非常に共感出来る。そんな折、銀行強盗に遭い人質として囚われて、主人公は初めて町を出ることになるのだが・・・。実は人生って、それ自体が旅なのだよな。生まれてから死ぬまで、期間限定、必ず終わりの来る、ね。2018/01/14

りつこ

34
アンタイラー再読二冊目。この家から出たいと夢見ながらも生まれ育った場所から離れることが出来ない主婦が、ある時強盗の人質になって思いがけぬ逃亡の旅に出る。ピストルで脅しながらもどこか幼さが残る強盗と旅をしながら自分の半生を振り返る。今度こそほんとに好きになれない夫キター。主人公にもイライラするけどでももうこれは出るしかないよ!そんな気持ちで読んでいたのだけれど…くうーーそうきたか。こんなにもやもやいらいらする話なのに最後まで読んでのこの爽快感はいったい。うーん、たまらない。2017/11/17

みみずく

10
感想は書き切れないので少しだけ。 生まれた時から町から出たことがなく、結婚相手も幼馴染み。家族の世話に明け暮れ、自分はここから出ることはないんだ、と思う女性の物語と聞くと結構胸がつまる。でもシャーロットはそう思わせない、開放した印象を与える。生活は変わらなくても、あきらめのため息を吐かなくても、人は自由では居られるということを説教くさくなく示している女性の物語だった。2014/04/16

ワラスボン

8
アン・タイラー初読。奥付をみると昭和62年の作品。生まれたときから住んでいる小さな田舎町で、夫の親族と同居し、閉塞的な生活を送る主人公は、どこかへ行く覚悟を決め、その準備をしていた矢先に銀行強盗の人質となって遠くへ連れ去られる。物語は彼女の過去と連れ去られた時間と交互に進んで行く。終始暗めな雰囲気だけど、時々ユーモアがあったり、心に刺さる言葉があったり。家族、人生、自由について、自分の事と重ねながら考えさせられる。古さはあるけど読みやすくて、ゆっくりと心に沁みていく。★★★★★2025/02/13

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