感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
28
フランスの小説。風光明媚な山村で政治的なセミナーが開かれることになります。大勢の警官やマスコミ、運動家、青年たちが集まり、村は大混乱に。作家の主人公は青年たちを救おうとしますが、混乱に巻き込まれて自分の非力を悟りました。さらに南米のテロリストまで現れて、収拾のつかない事態へ発展。政治の不気味さ、マスコミの混乱、人間の愚かさを濃密に描いた傑作。ここに描かれている普通に暮らしている人間が政治的な混乱な巻き込まれて、あっという間に命を失うことは、現代社会でも起こりうることでしょう。その意味で普遍的な小説です。2025/01/28