感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
13
連合軍側で持っていたゲーリングに対する評価は「デブの道化師」「大言壮語のヤクザもの」「うさんくさい過去の栄光だけの時代遅れ」などというもの。しかし、少なくとも1970年代までのドイツ人にとって、彼は英雄だったそうです。ここに記されたのは、類い希なる才能と行動力と統率力を持ったひとりの人物。しかし、と作家は言います。「ゲーリングの悪徳、そして歴史書が必ず非難するに違いないそれは、殻が道徳的にみて臆病者であったことである。それが彼の最大の罪だったのだ」──ヒトラーへの盲従がなければ彼はどうであったろうか。2020/01/08