蛍

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784152035059
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

愛するものを失うことはつらい。ましてそれが、聡明で思いやり深く、誰からも愛される15歳の少年ならなおさら。ベストセラー作家のデイヴィッドは、ある日、息子のマットが庭で苦しんでいる姿を目撃する。マットの体は病魔に冒されていた。病名はユーイング肉腫。珍しい種類の癌だ。何度も襲う苦痛に耐えながら、マットは最新の治療法に身を委ねる。だが、闘病むなしく、命の炎はわずか半年で燃えつきた。その翌晩、父デイヴィッドは不思議な現象を体験する。悲しみにくれる彼の部屋を無数の蛍が飛びかっていたのだ…。「ランボー・シリーズ」で有名なベストセラー作家が、みずからの体験をもとに親子の強い絆を描く感動作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雪月花

47
「人生は苦である」15歳でユーイング肉腫に冒され、半年の壮絶な闘病のあと亡くなってしまった愛する息子のための追悼文で著者はそう述べた。その40年後、自分も癌により生死をさまよう中で、時空を超えて息子を救おうとする、ノンフィクションでありながらフィクションの要素も入り混じった感動作。どんなに時が経っても癒えない悲しみ。医師や看護師たちもベストを尽くしてはいるのだろうが、やはり闘病する本人と家族にしかわからない辛さと悲しみと必死さがあとからあとから伝わってきて、涙なしには読めなかった。2024/02/16

アヴォカド

5
驚いた。もっと話題になるべき、読まれるべき作品ではないか。15歳の息子を亡くすというつらい体験を、9割の事実と1割の虚構で練り上げ、決して消えることのない悲しみと共に生きていく1つの形を、小説家としての力の限り見せてくれる。もちろん、そのつらさ悲しさが胸に迫るのであるが、読み終えたあと、小説ってこんなことも出来るんだ…という驚きも残る。2014/10/11

saladin

3
病床で死に瀕した老人が、15歳で死んでしまった愛息に思いを馳せ…。老人の妄想・幻覚と言ってしまえばそれまでだが、実際には40年前に死んでしまっている息子を死から救おうとする展開はタイムリープものの構成と同じで、スリリングですらある。話としては第4部で完結しており、本著の書かれた経緯を長々と述べるエピローグは不必要な気もする。が、それでも書かずにはおれなかったのだろう。なぜなら本著は”鎮魂の書”であり、同じような悲しみを抱える人々のために書かれたのだろうから。2022/05/05

2
身近な人を亡くしたら、みな同じ気持ちになるでしょう。いつの日か不治の病が無くなりますように。2024/04/06

聖月

1
〇死に行く老人の視点。15歳で亡くなった息子の回想。時空の歪みか、想念の飛翔かわからないが、彼の肉体と精神は、当時へと飛ぶ。多分、泣ける人は泣けるし、感じ入る人は感じ入るのだろう。悪くはないと思いながらも、結局入り込めなかった評者。面白いとか面白くなかったというより、入り込めなくて残念だったというのが読後の感想である2008/05/10

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