内容説明
名探偵シャーロック・ホームズ、『サイコ』のノーマン・ベイツ、『ロゼアンナ』の不良少女…。小説に登場するキャラクターの人格も、幼少時に形づくられていた!?―数々の著作をもつ当代随一の人気作家中島梓が、臨床精神分析の権威である木田恵子をパートナーに迎え、名作ミステリ、自作の登場人物たち、親子の関係を題材に、限りない優しさをこめて悩み多き現代人に贈る画期的な対談集。
目次
第1部 推理としての精神分析
第2部 人間についての学問
第3部 母のために子のために
第4部 補足/現代は心理学の世紀である
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
91
かなり古い本で再読です。グイン・サーガシリーズをかなり読んでいたからなのでしょう。臨床精神分析がご専門の木田恵子さんと作家の中島梓さん(栗本薫)による、主に探偵小説の主人公たちの精神分析を対談で楽しませてくれます。お二人ともかなりの探偵小説を読んでおられる感じで内容もかなり程度が高く広範囲になっています。主人公のキャラクターが小説の中にはほとんど登場しない幼少期に形作られた、といわれているのはある意味推理小説的な観点であると感じました。2025/07/18
Tanaka9999
9
1991年発行、早川書房の単行本。精神分析についての対談。今でも通用する話ではあるとは思う。が、ここで書いていることに賛成できないと、全くつまらないであろう。2024/01/30
不動 明
1
作家の中島梓氏が木田さんの著書『喝采症候群』を読み感銘しある新聞に書評を書きその後対談が実現し本書になるという経緯。対談途中何となく中島氏が若干無意識の琴線に触れたのか何となく暴走気味になった様に感じたが活字ではその場のニュアンスは伝わらないので分からなかった。最終章に於ける中島氏の精神分析についての考察は読んでいても鋭く深く突き刺さってきた。この本が出版されて既に24年経っているが内容は全く色褪せてないどころか、より必要な事ばかり記述されていると思った。2015/08/25
アマテラス
1
精神分析学に興味をもつキッカケになった本です。