内容説明
小説について語る場合、わたしたちはその小説を通して、わたしたち自身を語っていないだろうか、との視点から、著者は1970年以来ミステリマガジンに海外の新作ミステリを題材にしたユニークなエッセイを書きつづけてきた。それらは『夜間飛行』『課外授業』(日本推理作家協会賞受賞)等にまとめられてきたが、著者の急逝によって6作目の本書がその掉尾を飾ることになった。
目次
夢果てぬ街
ディフェンスにぶちあたれ
まともな奴が多すぎる
死ぬには早すぎる
シンデレラの母
女たちの絆
1ドル銀貨の予告
マイ・ビターハート、マイ・ハニー
甲斐性なしのオプ
真紅の哀しみ
患者から愛をこめて
〈樅の木荘〉は残った
きまじめディーキー
婦警トーニの誰もいない海
災厄という名の女
死んでも会いたくない
諸刃の剣または板ばさみ
探偵なんかになりたくない
ハリーを探すな
やせもストライプを着ない
解けた探偵
殺意の丘へ
ブルシット(牛のクソ、戯言)