内容説明
波瀾万丈の小説を書く人が波瀾の人生を送ることはめったにない。アガサ・メアリ・クラリサ・ミラーは1890年9月15日にトーキイ効外のアッシュフィードという家で生まれ、幸福な少女時代と平和な晩年を送り、世界的なベストセラー作家アガサ・クリスティーとして1976年1月12日世を去った。だが、その生涯にはいくつかの謎が残され、その作品群はいまだ尽きせぬ多くの魅力と話題に溢れている。ミステリの女王についてのすべての疑問に答える決定版読本。
目次
クリスティー、人と作品(簡潔さの女王;純英国的レディ;クリスティー語る;売行き倍増事件)
クリスティー論(ノスタルジーの王国;誰でも知っていたクリスティー;誰も知らなかったクリスティー;謎ときの女王)
ポアロとミス・マープル(わが友ポアロ;ミス・マープルの肖像)
演劇、音楽、映画(演劇へのミダス王の贈り物;音楽とミステリ;アガサ・クリスティー映画)
クリスティー主要登場人物典
クリスティー小百科事典
クリスティー略年譜
著作リスト
クリスティー参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
meg
33
アガサ・クリスティーファンにとって本当に充実した本。おもしろい。考察。ミステリー好きなら楽しめる。アガサ・クリスティーについて考えるときの必須書。古本屋で購入。2024/10/08
旅人(𝒕𝒂𝒃𝒊𝒕𝒐)
14
メルカリで手に入れました。いろんな方がクリスティの小説の解説をしていて、これから読み直す時に、時代背景などにも理解が深まりそう。クリスティが読みやすいのは、細かい描写が少なく会話が大部分で、また、「精神のあり方が複雑ではない人物たち」(丸谷才一談)を書くことで、必要以上に深刻になることなく、現実逃避ができる。確かに。戦時中でさえ、クリスティの人気は衰えなかったというのが凄い。後半の主要登場人物事典やクリスティ小百科事典は、これから読み直す時に参考にしたい。充実した内容です。2021/11/07
barcarola
6
登場人物事典や建築物事典、毒物事典などは読んでいて自分でも作りたくなってきてしまう(笑)。その他、とにかく楽しい一冊。2019/10/06
Hiro
2
ちょっと古いが欧米の評論家のエッセイを主体に江戸川乱歩など日本の専門家翻訳者の短文も加え、さらに音楽や映画にも目配りして、巻末には主要登場人物や舞台となった土地建物小道具まで紹介した、クリスティーの百科事典的ハンドブック。勿論年譜、著書リスト参考文献案内も。私は中村妙子氏の、ウエストマコット名義の作品をもとにクリスティーの人物像を探ったエッセイに一番惹かれた。2025/02/27
c3po2014
1
★★★ 調布市立緑ヶ丘図書館2018/09/10