- ホーム
- > 和書
- > 文芸
- > 日本文学
- > SF小説 アンソロジー
内容説明
アガサ・クリスティー(1890‐1976)は、処女作『スタイルズ荘の怪事件』(1920)から遺作『スリーピング・マーダー』(1976)まで約80点の長篇・短篇集を著し、ミステリの女王として全世界の読者を楽しませてきたわけだが、その人気の秘密はどこにあるのだろう。60歳以後の晩年の作品に小説家としての成熟を見る著者は、女史の名作30数篇をほぼ年代順に取り上げながら、処女作から事実上の最後の作品『運命の裏木戸』(1973)にいたる作家クリスティーの足取りを追っていく。処女作から晩年までの諸名作の秘密をたずね、名探偵と脇役たちの人間味をさぐる好エッセイ集。
目次
スタイルズ荘のひげ―『スタイルズ荘の怪事件』
気まぐれ銅貨の生涯―『秘密機関』
ハーレクインの幻―『謎のクィン氏』
騙りの冒険をめざして―『茶色の服の男』
髭と俳句のひねった関係―『ポアロのクリスマス』
オリエント急行のコメディー―『オリエント急行の殺人』
ヘイスティングズという装置―『ゴルフ場殺人事件』
ミス・マープルと編み物の効用―『牧師館の殺人』
ソフト・ボイルドの探偵たち―『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』
プロミシューズの宙吊り―『雲をつかむ死』〔ほか〕