内容説明
全米図書賞受賞! パンダの手に指が6本ある事をご存じですか。豊かな着想と刺激的な話題を通し人間と科学を考える。名著『ダーウィン以来』に続く待望の科学エッセー集第二弾
目次
第一部 完全と不完全―パンダの親指をめぐる三部作
第二部 ダーウィン的世界
第三部 人類の進化
第四部 人間の違いの科学と政治
1 ~ 1件/全1件
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COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
40
社会ダーウィニズムという偏見の塊から脱するために読んでほしい、と池澤夏樹さんがお薦めの本著。キリスト教の教義に反する進化生物学が数々の論争を経てきた事が分かります(いまなお続いています)。ダーウィンが唱えたのは多元論で、全ての進化的変化がより良い生物に向かうための淘汰の産物とは考えていなかった。しかし、この事実が忘れ去られ(曲解され)て、超淘汰主義的なダーウィニズムが人口に膾炙している。アダム・スミスの自由放任主義経済学の広がりともつながっているとの指摘も興味深い。進化生物学を学び直すには格好の本でした。2017/04/16
山口透析鉄
14
この本は単行本が出た頃、高校生の頃に読みました。グールド先生の本は純粋に読み物としても非常に面白いですね。 表題のエッセイもいいんですが、個人的にはミッキーマウスのキャラクターデザインの変遷がなかでもとても興味深く、要はより幼児体型というか赤ちゃん体型の方が自然に人気が出て、ミッキーマウスもそういうふうに絵柄が変わってきているといった説明が出ていて、これ日本のまんがやアニメのキャラクターデザインも一緒だよな、と思いましたね。 要は最初は頭部が少し小さめだったドラえもんも二頭身に変化しましたし(以下は下巻)1986/08/23
Tatsuya
1
全体的に頭に入って来づらい文章だな……。『ワンダフルライフ』はそうでもなかった気がするんだけど。訳者の違いの問題なのか否か。あとは、エッセイ集という性質上、一冊の本として一貫したテーマとしてあまりまとまっていないのも原因かな。とはいえ、各章それぞれは面白い。2012/11/01