感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
53
先々週古書店で探しだし狂喜乱舞。コンディションも悪くない本が800円で買えた!写真も多く、「ブラックマスク」の晩餐会での写真では、ハメットもチャンドラーとともに写っており感動。これ、絶版状態が勿体ないなあ。今村上春樹氏が新訳をポツポツ出しているので復刊してもそこそこ売れるのではないか?2012/09/01
西村章
2
膨大な資料と緻密な取材で、チャンドラーの生涯が生き生きと甦ってくる。学生時代からずっと読みたかった本なのだが、今読んでよかった。チャンドラーが若い時代に抱えていた鬱屈や後年に成功してからの屈折と韜晦、妻を失った失意と自棄は、イギリスとアメリカの地理はおろか文化風土の差異すら把握できていない二十歳代では、とても理解できなかっただろうなあ。今読むと、なんだかいろいろ「共感をおぼえる」部分すらあるよ、僭越な言いかただけど。いずれにせよ、かなりめんどくさい人物だったことは間違いなさそうだけど。2017/02/09
い
1
読みづらかった。それがまたチャンドラーの生涯っぽいのかとも思った。 「何にしても、扱いにくい人間であった」という一行に尽きる。2021/10/10
アヴィ
0
作家=登場人物と短絡的に考える人はいないだろうが、チャンドラーにはマーロウのような人格や生き方を求めるのも、その作品の完成度の高さ故であり、致し方ないだろう。だがそんな読者の望みを打ち砕くように、現実を生きるチャンドラーはとても人間臭く、人間であるが故の苦悩に満ち溢れて生涯を送った。年上の妻の死後の哀れさなど、そんなこと最初から分かっていたことだろうと言いたくもなるが、それら含めてマーロウという孤高の主人公を生み出す下地があったのかもしれない。2025/10/13




