感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takeakisky
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ゆっくりと後ろ向きに歩いているような、セピアがかった印象のなか、いくつかの印象的な現実には起こらなかったであろうエピソードが記される。ウォール・ストリート・ラグが弾かれるまでは。実際にはノスタルジーを誘う曲だが、急にカラフルになり、リズムが生まれ、ここからストーリーが生きはじめる。登場人物の収斂し拡散する様は、この頁数でよくぞ、のスケール。実在の人物、事件をうまく用い、特に現代に大きな影響を与えているJ.P.モーガンとヘンリー・フォードの2人の絡みはスリリング、興味をそそる本でもある。満足の高かった一冊。2022/12/04