感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
gu
7
『魔性の恋人』『魔女』『背教者』『アイルランドに来て踊れ』『潮の柱』『くじ』が良かった。読み始めた時はなんだかわからなかったが、だんだんと嫌な感じが漂ってきて、そのうちそれが愉しくなった。些細な違和感が普通のことだと打ち消されるのを繰り返しているうちに、取り返しのつかない変化が起きてしまう感じ、ローラン・トポールの『幻の下宿人』を連想した。ドタバタ要素は別として。この小説の悪意は笑いと恐怖のどちらにも転びうるものだと思う。会話の多い書き方が風刺にも煙幕にもなっている。2016/01/31
タコ星人
4
心がザワつく短編集。人の醜い部分や悪意がうっすらと見え隠れする作品が占めている。終盤、Ⅳ章が始まる辺りからは主人公が強迫観念のようなものにジリジリと追い詰められていく要素が加わってくる。読んでいてイヤミスとは違った疲れ方をした。 原書となる短編集から三篇引っこ抜いたものが本書である。省いた理由は書かれていない。訳者の癖もあると思うが初訳から五十年も経つと、さすがに日本語が古いと感じる。言語は変化するものなのですなぁ。2025/08/12
ちょろいも
4
スッキリしたオチもなく、ザラリとした読後感がいつまでもあとに残る。これ癖になるな…。2016/02/23
本の虫・・・になりたい
3
「くじ」がよくストーリーが分からないままに 読み進んでいる内に・・・ 突然のクライマックスの猛攻撃に慄然!2016/07/01
Carella87
3
個人的にはスタージョンや他の異色作家よりも、理解するのに時間を要しそうな作品集。よほどこの作品集の肝にあるような「悪意」に自分は鈍感なんやろうか?異色作家短編集の中でも好き嫌いがハッキリ分かれそうな一冊かなぁ。2012/06/25




