出版社内容情報
バージニア南部で起きた殺人の容疑者に浮上した女。だが、なぜか女への捜査は打ち切られる。保安官補ウィルは独自に捜査をするが。
【目次】
内容説明
近代化が進むバージニア州の中で唯一時間が止まったように荒れ果てた南部の田舎町で、殺人事件が起こった。心に傷を抱えた保安官補ウィルは、上司の命令で旧友サムの父ジークを逮捕することになる。だが被害者の家族ですらジークは犯人ではないと主張しており、彼を逮捕することが正しいとは考えられなかった。ウィルは気まぐれな私立探偵ベニコとともに上司に逆らって捜査を行うが。MWA賞最優秀新人賞受賞の警察小説。
著者等紹介
ワイズ,ヘンリー[ワイズ,ヘンリー] [Wise,Henry]
作家・詩人・写真家。バージニア軍事学校を経てミシシッピ大学芸術学科修士課程を修了後、創作活動を行う。2024年に『無垢なる町』(本書)で作家デビュー。同作は2025年のアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞を受賞した
吉野弘人[ヨシノヒロト]
山形大学人文学部経済学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ@多忙につき低浮上
76
ウィルはとても不器用だ。反対されたにもかかわらず、傷口をえぐるように生まれ育った土地に戻ってきて保安官補となった。贖罪から良かれと思ってやったことが裏目に出る。荒廃した町の火災現場から焼死体が見つかり、誰もがまさかと思う人物が逮捕される。事件がすべてを語っている。錆びれた街、逃れられない人々、ウィルの優柔不断さと重なり、ストーリーはなかなか進まない。その裏で街の状況、生きる人々の姿と苦しみが伝わってくる。この作品の主人公はウィル、そして主役は町だろう。【2024年エドガー賞最優秀新人賞】2026/05/12
ばんだねいっぺい
30
主人公ウィルに対する歯がゆさが、小説の肝だと感じた。心の重荷は減ったと思うが、劇的に成長したようには、見えない。しかし、続編があると考えたとき、認識の枠組が変わる。2026/05/09
stobe1904
28
【MWA最優秀新人賞受賞作】舞台はアメリカバージニア州南部の片田舎。保安官補のウィルは通りがかった家で発生した火事で住人を救出したが…。発展から取り残された閉塞感の残る田舎町で、親友が負傷した事件で傍観するしかなかったウィルが負った過去が重くウィルの生き様にのしかかる。また貧困にあえぎ行き場を失った人々がドラッグ、暴力といった現代アメリカを象徴する社会問題に行き着いてしまう構図に言葉を失う。著者は詩人とのことなので、独特な表現手法が印象に残る。★★★☆☆2026/05/30
練りようかん
18
訳者きっかけ。十年ぶりに帰郷した保安官補の主人公。火災現場で遺体が発見され殺人事件として物語は進むのだが、町の人間関係や過去の方に興味をひかれる描き方で、個人そしてコミュニティの借りをキーワードに共依存の負の連鎖を感じながら読み進めた。この人は違うと思いながら逮捕。地元関係者とともに真犯人を探すのだが、違法捜査を理由に解雇された私立探偵の優秀さが頼りになる!後半すぎてから因縁の予測と驚きの事実がつづき、一番聞きたくない人間の一蓮托生で勢いがつき最後まで。南部ノワールの複雑な余韻に浸った。続編を待つ。2026/08/15
スイ
16
閉鎖的な町でもつれた人間関係が、二世代に渡る様々な悲劇を起こす。 読んでいる間ずっと暗い気持ちだったけれど、そういう本の良さもある。 しかし今作は、その重みを活かし切れていないように感じた。 展開も唐突なところがしばしばで、物語から引き戻されてしまった。 終盤この残りページでこうなるの?!まとまる?!大丈夫?!と思ったら続きものなのね…。2026/09/25




