出版社内容情報
人種差別主義者と黒人少年が殺害された。心に傷を負った刑事、マーシュは二つの事件を追うことに。二転三転する捜査の行方は――?
内容説明
妻子を事故で失い、酒浸りの日々を送っている刑事マーシュ。彼は暴力に悩む知人に頼まれ、ある男を殴って警告した。翌朝、殺人の報を受けたマーシュは驚く。被害者は自分が殴った男だったのだ。死亡推定時刻は彼が訪ねた時間とも重なり、記憶も曖昧だ。そのうえ彼はアフリカ系の少年の焼殺事件も追うことに。二つの事件の繋がりとは?逮捕される可能性に怯えながらも、自らの正義を貫こうとする男を描く出色の刑事小説。
著者等紹介
マクマホン,ジョン[マクマホン,ジョン] [McMahon,John]
アメリカ・カリフォルニア在住。広告代理店のディレクターを経て、『刑事失格』で作家デビュー。2020年のエドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀新人賞にノミネートされた
恒川正志[ツネカワマサシ]
上智大学文学部社会福祉学科卒、英米文学・実務翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
77
主人公のマーシュは刑事で、妻子を事故で失い酒浸りの毎日を送っていた。ある日、知人に頼まれ、ある男を殴って警告した。ところが翌朝、殺人の報を受けたマーシュは、被害者は自分が殴った男だった事を知って驚いた。そのうえ彼はもう一つ、アフリカ系の少年の殺人事件も追う事になる。逮捕される可能性に怯えながら。この二つの事件にはどんな関連があるのか?舞台はアメリカのジョージア州。人種差別問題が扱われているが、良くも悪くもマーシュのキャラクターの魅力があまり秀でていない。警察小説は多く読んでいるが、平凡な作品だと感じた。2021/02/20
キムチ
53
賞取り作家 初読み。出だしはよくあるパターンながら次第に筆者の意欲が空回り気味の暴走が⤴犯行時の記憶定かならぬ刑事がアルコールが抜けている時はこうもサクッと動けるか?とは言え人種差別・ネオナチ、黒魔術とでてくるので何処まで行くのかある意味、怖いもの見たさで追随。ラストの洞窟での対決は手に汗もの。とは言えやっぱり「広げ過ぎ」の感が強い。原題は”The Good Detective"それが「刑事失格」となる下りの本人内面に絞った心理展開の方が良かった感じ。幾度も登場する黒人少年の焼殺リンチ屍体はグサグサ来る2022/01/27
しゃお
40
妻子を事故で失い酒浸りの刑事マーシュ。ストリッパーに頼まれ暴力を振るう男に脅しをかけるもその男が死体となって発見された事で、自身が男を殺したかも知れないと恐れます。一方で黒人の少年が焼死体で発見された事件を捜査する事に。南部における人種差別や偏見などを映し出しながら、更にはオカルティックな展開は、事件の根深い闇と真実も全てがハッキリせずモヤモヤ。しかしマーシュの心の痛みが浮かび上がる姿、事件を決着させようと仕掛ける姿などは胸に迫るものがあり不思議な魅力も。妻子の死の真相も気になりますし次作も読んでみたい!2021/01/27
シキモリ
32
“自分が容疑者を殺してしまったとしたらどうやって事件を解決すればいい?”という魅惑的なフレーズに誘われ手に取ったが、色々詰め込み過ぎじゃないか?猪突猛進な主人公を始めとした凡庸な登場人物達に加え、今ひとつ要領を得ない筋運び。警察組織はザル過ぎるし、シャーマンに目覚めた老婆の登場を皮切りにオカルト要素が混入してくる。容疑者候補の主人公に始まり、ついには黒魔術師や秘密結社が参戦するトリッキーさ満載のプロット。序盤から黒人差別問題への警鐘を鳴らしているが、奇を衒い過ぎた所為で焦点がぼやけてしまった様な気がする。2021/01/16
本木英朗
31
アメリカの現代警察小説のひとりである、ジョン・マクマホンの長編デビュー作だ。妻子を事故で失い、酒浸りの日々を送っている刑事マーシュ。彼は暴力に悩む知人に頼まれ、ある男を殴って警告した。翌朝、殺人の報を受けたマーシュは驚く。被害者は自分が殴った男だったのだ。死亡推定時刻は彼が訪ねた時間とも重なり、記憶も曖昧だ。そのうえ彼はアフリカ系の少年の焼殺事件も追うことに。二つの事件の繋がりとは?という話である。最後までまったく分からなかったよ、俺は。しかも何人もの犯人がいるのだからねえ。さすが作者である。(→)2021/10/19