出版社内容情報
【目次】
内容説明
殺された男が率いていたカルト教団は、子どもたちに「講座」という名の洗脳教育を行っていた。重大犯罪分析課が存続の危機に陥りながらも、ポーは捜査の末に「慈悲の椅子」という謎の言葉にたどり着く。時を同じくして、ブラッドショーから遺体に刻まれた暗号を解読したとの知らせが届く。ポーはその暗号が指し示す場所へと向かうが…。すべての秘密が暴かれるとき、衝撃の別れが待ち受ける。さらば、ワシントン・ポー。
著者等紹介
クレイヴン,M.W.[クレイヴン,M.W.] [Craven,M.W.]
イギリス・カンブリア州出身の作家。軍隊、保護観察官の職を経て2015年に作家デビュー。2018年に発表した『ストーンサークルの殺人』で、英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールド・ダガーを受賞した
東野さやか[ヒガシノサヤカ]
上智大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
531
筆力がある作家さんなだけに、迫力に圧されて看過してしまいそうになるが、この犯人の設定は個人的になし。それはインパクトだけでいえば、こうするのが正解かもしれない。しかし、ストレートに進行していれば意外でもなんでもない犯人を意外に見せるための苦しい説明の数々や、ブレグジットゆうても先進国な大英帝国さんでは指紋とられてる指名手配者や事件関係者がこんなに堂々と身分詐称して長期間暮らしていられるものなんですか?という根本的すぎる部分の稚拙さがどうしても引っ掛かる。刺激勝負の一冊で、ミステリとして読まない方がいい。2025/09/28
パトラッシュ
184
(承前)人はなぜ人に対してここまで残酷になれるのか、打ちのめされるドラマが続く。自分が正しいと信じて疑わないカルトの指導者による洗脳で心を歪まされた子供たちの悲劇が、新たな憎悪と殺人を生む因果応報の数々が明らかになるプロセスは読むのが辛いほどだ。後半はディーヴァーも霞むどんでん返しの連続で、物語の前提まで引っくり返される鮮やかさは圧巻。しかし久しぶりに大活躍したティリーがポーから引き離されてしまうラストこそ、事件の真相より予想外の衝撃をもたらす。彼らの行く末という大いなる謎に、早く次作をと渇望してしまう。2025/10/23
ちょろこ
123
やられた下巻の一冊。上巻からとんでもなく苦しい展開が待ち受けている不安を抱きつつもページを捲らずにはいられない。「慈悲の椅子」、タトゥーの意味するもの…ティリーの力を借りて根っこに近づく過程は危険信号点滅しながらの面白さ。次第に炙り出されていく、一家族の歪んだ関係におぞましさMAX。なんとなく予感が的中した瞬間は緊張感MAX。やっと落ち着いた鼓動も束の間、そこからの更なる展開に絶句。事件の重さと魅せ方にかなりやられた感がしばらく残る。やっぱり期待を裏切らないのが最高。ポーにエステルがいてくれて良かったな。2025/10/09
道楽モン
123
いやはや今作も傑作だった。素晴らしい。必ず最新作がシリーズの最高傑作となっているのが本当に立派だ。ポーが事件後のPTSD回避の為のカウンセリングを受けているという構成であるが、どんでん返しの連続で、後半はもう、どこまでひっくり返し続けるのだーと嬉しい悲鳴。陰惨な事件で胸糞悪いけれど、ポーとティリーの会話の楽しさと、読者の予想を裏切り続ける展開で、かなり驚きつつ愉しませて頂いた。謎解きとか(暗号はティリーが楽々解読)、どんでん返しがメインではないのに、このサービス精神。さらに次作につなげる置き土産が心憎い。2025/09/24
タツ フカガワ
111
カルト教団の闇の部分が徐々に明らかになっていく。なかでも地下室で行われた“講座”の凄惨なことといったら。そこからタトゥー男の殺害や信者一家の惨殺事件の真相が徐々に明らかになっていくのだが、じつは驚きはこの先に待っていた。本作はPTSDを患ったポーが、ドクター・ラングとのカウンセリングから事件を回想していくというこれまでにない幕開けだったが、まさかこんな結末が待っているとはね。面白かった。ブラッドショーと別れ、現職を離れたポーの次作が気にかかる。2025/10/13
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