出版社内容情報
木に縛られ石打ちで殺害された男の体には、難解なコードが刻まれていた。ポーの捜査で15年前の未解決事件との関連が浮かび上がる
【目次】
内容説明
カルト教団の指導者が木に縛られ石打ちで殺された。聖書の刑罰を模した奇妙な殺害方法に困惑するポー。さらに遺体には、分析官ブラッドショーにも分からない暗号が刻まれていた。事件の鍵はカルト教団にあると推測する二人。一方でポーの所属する重大犯罪分析課に上層部から嫌疑がかかり、スパイが送りこまれる。チーム解体の危機が迫る中、ポーたちは捜査を開始するが…。大人気英国ミステリ、衝撃のシリーズ第六作。
著者等紹介
クレイヴン,M.W.[クレイヴン,M.W.] [Craven,M.W.]
イギリス・カンブリア州出身の作家。軍隊、保護観察官の職を経て2015年に作家デビュー。2018年に発表した『ストーンサークルの殺人』で、英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールド・ダガーを受賞した
東野さやか[ヒガシノサヤカ]
上智大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
525
冒頭から、カウンセリングを受けるポーという過去にない展開をぶち込んで意表をついてくるシリーズ6作目。意表をつくのは良いとして、あざとすぎて裏が透けて見えてしまうのが辛いところ。短い章立てはいつも通りなのだが、カウンセリング場面が挿入される頻度が高すぎて、少し興醒めしてしまう。事件の背景が見え始めるのが上巻の後半からなので、中盤まではやや退屈。ティリーが喋る場面だけが際立って面白い。ドイルとのカップル成立についても、やけにあっさり流し気味で、その点は多いに意表をつかれた。下巻では色々なサプライズがありそう。2025/09/27
パトラッシュ
175
ワシントン・ポーがトラウマ療法士にかかるほど深刻な事件とは。不穏な冒頭に引き込まれると彼とドイルの婚約、そしてシリーズ屈指の残酷な殺人にカルト教団の秘密と、奇怪な謎のつるべ打ちに読む手を止められなくなる。しかも過去に起きた一家惨殺との関わりも浮上し、果てしない悪夢に気分が悪くほど。そこで捜査チームに送り込まれた情報機関のスパイと、まるで忖度せず我が道を行くポーとのやり取りが気休めの一服に思えてしまう。やがて殺人の原因となる人の業が徐々に明らかになり、ほとんどホラー小説の感覚で息を呑むしかなくなる。(続く)2025/10/22
ちょろこ
117
ポー&ティリーシリーズ6の一冊。木に縛られ石打ちで殺害されたのはカルト教団の指導者。その奇妙な方法での殺人事件にチーム・ポーが挑む今巻。相変わらずスタートからして構成が巧い。私生活も順調なポーだけれど、何やらかなり精神的にキツそうな事件を手掛けてしまったのか…。細やかな場面展開と共に事件の鍵はカルト教団?刻まれた暗号の意味は?散りばめられる謎、人物、過去の事件、そして何よりポーにとって、いけすかないスヌーピーの存在がじわじわと心掻き立てる。「必ず突き止めてみせる」ってサラッと言えるポーが相変わらずナイス。2025/10/08
道楽モン
111
待望の新作も上下2巻の分量。抜群のリーダビリティなので安心を。意図的に1章分をコンパクトにすることがその手法で、計算された章切れと章明けの絶妙なつながりが職人技となっている。しかも前作より効果が向上しているのは流石です。読み出したら止まらない。 上巻では状況説明やら事件の全容が徐々に明かされていきつつ、お馴染みのポーとティリーの会話が楽しい。今回のゲストである謎のライナスをいじりまくっており、相変わらずの英国流ユーモアの辛辣さに笑ってしまう。カルト教団の調査と、タトゥーに秘められた暗号が本作の主軸。2025/09/23
タツ フカガワ
104
木に縛られ石で打ち据えられた男は。全身に聖書に因んだタトゥーが彫られていた。まもなくこの男がカルト教団の指導的立場にいたことが判明する。同性愛者や人工中絶を否定し、神政国家を目指す過激な教義を持つこの教団を調べるうちにワシントン・ポーは教団信者の家に起きた両親と兄が犠牲になった惨殺事件に、ブラッドショーは遺体のタトゥーに見つけた6つのコードに注目する。今作もテンポよく進むシリーズ6作目。なんといっても楽しみなのはポーとブラッドショーとの会話で、笑み崩れること度々。真相に大きく近づいたところで下巻へ。2025/10/11
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