出版社内容情報
M・W・クレイヴン[クレイヴン エム ダブリュー]
著・文・その他
東野 さやか[ヒガシノ サヤカ]
翻訳
内容説明
クリスマスの英国カンブリア州で切断された人間の指が次々発見された。プレゼントのマグカップのなか、ミサが行われた教会、そして精肉店の店内で―。現場には“#BSC6”という謎めいた文字列が。三人の犠牲者の身元を明らかにしようと刑事ポーたちは捜査に乗り出す。だが彼らはまだ知らない。この連続殺人の背後に想像を超える巨悪“キュレーター”が潜んでいることを…驚愕必至のシリーズ第三作。
著者等紹介
クレイヴン,M.W.[クレイヴン,M.W.] [Craven,M.W.]
イギリス・カンブリア州出身の作家。軍隊、保護観察官の職を経て2015年に作家デビュー。2018年に発表した『ストーンサークルの殺人』で、英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールド・ダガーを受賞した
東野さやか[ヒガシノサヤカ]
上智大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
472
過去一の面白さだと思う。派手さがあり、BSCなどの題材を盛り込むことで、かなりの目新しさを出せている。物語の二転三転も、今までで一番振り幅がある。ただ、この著者の傾向みたいなものも明確になってきており、風呂敷を広げた末、外に向けて拡散していくのではなく、ひたすら内へ内へと、悪い言い方をすると、手近なところでオチを見繕ってくるので、この先も続くようだと、白けてくるかも。派手派手な事件にありがちな無駄や説得力不足も多く、ハワードが殺される必要は全くなかったり、冷静になって見ると、プロの起こす事件とは思えない。2022/10/26
パトラッシュ
329
シリーズ第3作にして最高傑作。謎の連続猟奇殺人を追うワシントン・ポーとそのチームの活躍を全く中だるみなく描き、6百頁を一気読みさせる迫力は圧倒的だ。人を操って殺人に走らせる天才的犯罪者「キュレーター」による考え抜かれた計画と、僅かな瑕疵から正体に迫るポーたちの頭脳戦は息苦しいほどだし、残酷なシーンも加わりながら展開される追いつ追われつのドラマ、さらにキュレーターへの依頼人の驚くべき正体と動機まで一部の緩みもないのだから。ティリーがやや大人しかったのは残念だが、今年の各ランキングで上位を争うのは間違いない。2022/10/09
青乃108号
281
ワシントン・ポーシリーズ第3弾。ポーと女性天才分析官ブラッドショーの名コンビ振りが健在で嬉しい限り。しかしさすがに3作目ともなれば作品自体の勢いも衰えて来るのは必定、何と言っても1作目はポー自身をシリアルキラーの次なる「●●者」に、2作目はポー自身を「●人」に仕立てる事で息をつかせない程の展開とスリルとで俺はグイグイ引き付けられたのだが、今作はさすがにポー自身を何者かに仕立てる手口はもう使えず、だからだろう、前2作程の緊迫感が感じられず600ページ超がとても長く感じられた。ラストもこの上なく後味が悪い。2023/04/10
seacalf
236
シリーズ第三弾。今回もたっぷり堪能。出来過ぎな位天才的なひらめきで事件を追うポーと文字通り天才の分析官ティリー、美貌の病理学者ドイルや妊娠8ヶ月でも事件に猪突猛進のフリン警部も健在。仲間想いのポーとティリーのひたむきさに胸を熱くする。読者を置いてけぼりにせずに複雑な物語の展開を見せる手腕に舌を巻く。だけど、凄惨過ぎる事件と全貌に少々食傷気味。読む途中で思わず調べたがブルー・ウェール・チャレンジは本当に存在するのね。犯人との対峙もやり切れなさが残る。大好きなシリーズだが、もう少しマイルドにならないかしら。2023/01/29
ナルピーチ
228
シリーズ第3弾。もはや安定感のあるこのシリーズだが、今回はなんとも悍ましい事件から始まり、そして驚愕の結末が待ち受ける事に…。事件現場で発見されたのは切断された指と“#BSC6”の謎のメッセージ。 ポーとティリーにフリンと、いつものメンバーが事件に乗り出していく。前2作を越えたスケール感の大きな場面展開にドキドキ!ポー&ティリーのコンビネーションも抜群!!なのに読後に漂う喪失感…ついつい溜息が漏れてしまう…次作であのメンバーはどうなってるの?これは4作目を読んで確認しないとダメでしょう!2023/08/12