出版社内容情報
グレアム・ムーア[ムーア グレアム]
公手 成幸[クデ シゲユキ]
内容説明
19世紀末ロンドンで起きた若い女性の連続殺人は、ホームズ生みの親のドイルの調査によって、思わぬ展開を見せる。ホームズばりの推理を駆使するドイルは、警察すらも振り向かない怪事件を解決へと導くことができるのか?そして失われたドイルの日記を追うハロルドたちの背後にも、何者かの魔の手が…日記の行方は?そして、そこにはどんな真実が記されているのか?アカデミー賞を受賞した人気脚本家が放つ話題作。
著者等紹介
ムーア,グレアム[ムーア,グレアム] [Moore,Graham]
2015年に日本公開されたベネディクト・カンバーバッチ主演作「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」の脚本を担当し、第87回アカデミー脚色賞を受賞した注目の脚本家。シカゴ生まれでニューヨーク育ち。コロンビア大学で宗教史を学び、2010年に『シャーロック・ホームズ殺人事件』で作家デビューを飾った
公手成幸[クデシゲユキ]
1948年生、1972年同志社大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nuit@積読消化中
64
ブラム・ストーカーがワトソン役としてドイルの相棒をつとめるのだが、これが中々良い。交互に構成された現代と過去の物語。変わりゆくロンドンの時代背景と共に物語が進む、過去の物語の方にはとても夢中になりました。しかし本作現代版のように、実際2004年にドイルの失われた執筆物が発見され、その発見者であるシャーロキアンが謎の死をとげるということが現実にも起こっていたことを著者後書で知り、とても興味をそそられました。そして、北原氏の解説にある盛り沢山の未読の小説たち…順繰りに読まねばです!2017/05/12
タッキー
13
上巻に続き現代パートとコナンドイルの活躍する時代のパートを交互に展開しながら、ドイルの日記の一部が失われていた謎がついに解明されました。ホームズをライヘンバッハの滝で殺して以降の空白自体のドイルの活動や心境が描かれた作品でフィクションと分かっていながらも、ドイルは本当にニューゲート監獄に収監されたことがあったのか?ドイルとブラムストーカーは本当に親交があったのか?などなど、いろいろ楽しむことができ、ドイルのホームズ物以外の作品やホームズ物をまた読んで見たくなる作品でした!2018/07/22
鐵太郎
12
コナン・ドイルは詳細な日記をつけていました。これが、どういうわけか一冊だけ空白がある。1900年の記録が数ヶ月分、ない。ここに何があったのか。誰がこの日記を隠したのか。それを発見したと2010年に宣言した著名なシャーロッキアン、アレックス・ケイルはなぜ殺されたのか。章ごとに1900年と2010年の二つの別々アパートに分けて、見事な物語が作られ、驚くべき結論に至ります。なるほど、こりゃあ面白い。あの二人があの先どうなったのかが知りたいけれど、それは想像に任せると言うことでいいのかな。2017/04/15
J・P・フリーマン
6
最後まで読んだけど、特に盛り上がることもなく終了。現代編は、クライマックスがご都合主義の連続。ハロルドの前に、一度はまいたはずの悪党が唐突に現れて、それをちょっと前に分かれたヒロインが唐突に助けに来るという、安直なもの。過去編も、行き当たりばったり感が強いです。そして、ハロルドは最後にドイルの日記を手にするのですが、それに書かれている内容は、読者が読んできたドイルのストーリーに符合するので、衝撃を受けるのはハロルドだけで、読者とのリアクションに乖離ができてしまいます。2018/01/18
紗窓ともえ
6
コナン・ドイル自身の事件と、現代のシャーロキアンの事件。二つを時代をまたいで交互に読み進むうちにカッチリとリンクする瞬間が!そこからはあっという間に読み終わってしまいました。ただ、どうしてもコナン・ドイルとブラム・ストーカーの方がキャラ立ちしていて引かれてしまい、現代のシャーロキアンの物語部分を読んでいくのが煩わしくなってきたりもしました。二つがリンクしたのには興奮しましたが、最後までその効果が生かし切れたかどうか。でも、面白い本でした。ホームズが好きなら一読の価値ありかな、と。2017/03/16