出版社内容情報
サンドローネ・ダツィエーリ[ダツィエーリ サンドローネ]
清水 由貴子[シミズ ユキコ]
内容説明
ローマで起きた児童失踪事件。その裏には、幼い自分を誘拐し、11年間にわたって監禁した犯人“パードレ”がいる―そう考えるダンテを、しだいに信じるようになったコロンバ。しかし味方のはずの警察は、型破りなふたりに疑いの眼を向けていた。孤立無援のふたりは、独自に過去の事件を洗い直す。わずかな証拠をたどった先で待っていたものとは?緻密なプロットと息詰まる展開。イタリアのベストセラー・サスペンス!
著者等紹介
ダツィエーリ,サンドローネ[ダツィエーリ,サンドローネ] [Dazieri,Sandrone]
1964年、イタリアのクレモナ生まれ。様々な職を経て、1999年にデビュー長篇を発表。テレビドラマや映画の脚本家としても活躍している
清水由貴子[シミズユキコ]
上智大学外国語学部卒、英米文学・イタリア文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
411
下巻に入って文体は一層スピードを増してゆく。本書はミステリーとはいうものの、謎解きに妙味が傾けられているのではなく、サスペンス性に本領を発揮する。上巻ではコロンバとダンテが共に行動することが多かったのだが、下巻ではそれが引き裂かれるために2つの空間に緊迫した時間が流れることになる。後半はやや風呂敷を拡げすぎた感がなきにしもあらずだが、国家レベルでの謀略は案外そうしたとてつもないレベルなのかもしれないと思わせもする。なお、最後は予定調和に終わるが、エンディングは続編への含みも持たせ、なかなかに気がいている。2019/05/15
積読亭くま吉(●´(エ)`●)
89
★★★★互いも、周囲も幾百万と傷つけ、ギリギリ生還した二人。何一つ謎は明らかにされず、なのに何もかも乗り越えたハズの二人。そして…謎は続く!何だこれ、謎が続く事が嬉しいミステリって!!(笑)2016/11/28
papako
80
もうどうなるの!と一気でした。次々にコロンバとダンテが襲われる。警察からも追われ満身創痍。しかし、だんだん見えてくる敵の姿。そして真相に迫る二人。パードレも迫ってくる!いやー、手に汗握った。誘拐監禁事件の真相はヘドが出る。そして解決して気を抜いた後、パードレに捕まったダンテが痛々しい。それでもパードレの呪縛から自由になれたダンテ、本当に良かった。しかし二人は恋人になったのか?全くその気配が感じられない。そしてラストの電話。続編早く読みたいです!しかしイタリアの人名はつかみづらい。2017/04/27
つねじろう
80
話しは全く収束に向わず事実が判明するたびに謎も深まる。それと共にコロンバとダンテを結ぶ糸が絡まり次第に太いロープとなって行く展開が面白い。子供の誘拐事件が過去の国家レベルの展開となり隠謀も渦巻く。それが案外当事者の目の前で起こってて、皆んな関係者みたいな大きいのか小さいのか分からないような展開になる。がそんな事には御構いなしに話しは螺旋の渦となって周囲を巻き込みながら暴走して行く。皆が怪しく誰がパードレでもオッケーみたいな状態になるが徹底して不利な状況に追い込まれるコロンバとダンテのよれよれ感は天下一品。2016/12/01
のぶ
79
下巻に入りコロンバとダンテの懸命の捜査に、警察も加わり佳境に入ってきた。描写はアクションも加わって、派手な展開になってきた。上巻から気になっていたパードレ(父親)の存在を含め、徐々に真相が明らかになるにつれ、主人公二人の抱える心の傷と事件との絡みがキーポイントになっていることが解ってきた。うまいプロットを考えたものだと思う。全体を読み通して珍しいイタリアミステリーという事もあり、とても面白く感じた。ただ、文章がやや硬く感じて、夢中になって読んでいたら肩が凝った。2017/01/06
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- 和書
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