出版社内容情報
自然豊かな静かな町で、世捨て人の老人の敷地から青年の遺体が発見された。町で唯一の警察官ヘンリー・ファレルが捜査行なうが、それは住人の過去を掘り起こす行為だった。
内容説明
厳しい自然に囲まれた田舎町ワイルド・タイム。雪解けの季節のある日、銃痕があるうえ野生動物に荒らされた青年の死体が発見された。町で唯一の警察官ファレルは被害者の身元を洗うが、開拓時代から自分の身は自分で守ってきた住人たちは協力的ではなく、シェールガス利権や薬物の蔓延も捜査の行く手を阻む。やがて、法を信じない人々の暗い過去にたどりついたファレルは…アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞受賞作。
著者等紹介
ボウマン,トム[ボウマン,トム] [Bouman,Tom]
大学卒業後、ニューヨークの出版社で編集者の職に就くかたわら、ミュージシャンとしても活動する。2014年発表の本書は、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀新人賞、LAタイムズ・ブック・プライズ最優秀ミステリ/スリラー賞を受賞した。現在はペンシルヴェニア州北東部在住
熊井ひろ美[クマイヒロミ]
東京外国語大学外国語学部英米語学科卒、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
68
本作はアメリカ西部のような自然や田舎を背景で描いていて、C.Jボックスの作品のような雰囲気が、全体を貫いていて美しい情景が浮かんでくるが、舞台は東部のペンシルベニア。身元不明の死体の捜査が物語の軸となり、地元の住民の利権や他の犯罪が絡みながら進む。とても読みやすく話はどんどん進む。但し、この本の難点は全体を通し、登場人物のキャラクターが薄く、事件に驚きがないので、全体のインパクトがやや弱い。本作がデビュー作らしく、この先邦訳が出ればもう一冊ぐらい読んで判断したい。2016/07/20
あっちゃん
29
最初からキツかったなぁ(笑)どうでもよい登場人物まで名前を書かれちゃうと、誰が誰やら?全体的に暗く地味なストーリー展開で、主役もパッとしない普通の人(  ̄▽ ̄)私的には盛り上がりもなく途中から久々の流し読み…私に余裕がある時なら、もっと楽しめたのかも!2016/08/07
冴子
19
ギブアップです。土地柄が想像しにくく、登場人物が多すぎる。2017/07/20
tom
17
フィドル(バイオリン)弾きが警察官で主人公というところが珍しい。一人で弾く場面も合奏の場面も、ちょっとよろしい雰囲気。しかし、ミステリーとしては、根暗で、閉鎖されて、貧乏で、とりとめもなくてという物語。アメリカにはこういう世界があるのかというところだけが、関心を惹く。2016/05/27
himehikage
15
MWA最優秀新人賞受賞作。ペンシルヴェニア州の田舎町の山の中で見つかった身元不明の男性の死体。事件を追う派出所の警官ファレル。読み始めはC・J・ボックスみたいな小説を期待したが、文章がぎこちないのか、私の理解力不足か、読みづらく、いまいち乗れなかった。閉塞的な小さなコミュニティーの鬱々とした感じは魅力的ではあったが。2021/01/30