出版社内容情報
自殺衝動者のジェーンは飛行機内で自殺をするつもりだった。が、機体が山中に墜落し、彼女と青年だけが生き残る。青年を生きて返すため、ジェーンに生きる意欲が芽生え……
内容説明
父は幼いころから愛してくれた。でも思春期を迎えたわたしは、あるクリスマスに「頭のてっぺんにキスをしないで」と邪険にしてしまった。翌朝、父は自殺した。もう、謝ることはできない―苦悩の時を過ごして数年、ジェーンはついに睡眠薬自殺を決意し、飛行機内で薬を呑む。だがその時、機体が落下。見知らぬ青年ポールと二人だけが生き残り、深い雪山に取り残される。過酷な自然の中、二人は生き延びようとするが…
著者等紹介
モレル,アレックス[モレル,アレックス] [Morel,Alex]
ニュージャージー州モントクレア在住。2012年『ミルキーブルーの境界』で作家デビュー
中村有以[ナカムラユイ]
国際基督教大学卒、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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miri
41
自殺志願の女の子ジェーンが、飛行機内で自殺しようとした時に飛行機事故が発生、雪山に墜落してしまった。生き残りは隣の席に座っていたポールとジェーンだけ。雪山を降り、麓までたどり着くまでの道程は根性とスーパーヒーローポールの活躍が光る。気になった点、飛行機内で自殺した場合、賠償はどうなるのか。何故、女の子は愚かで感情的な存在として描かれるのか。泣いたりわめいたりするのは女の子。2015年刊行、ジェンダーバイアスの問題が見え、昭和女子大との共同プロジェクトというのも複雑な気持ち。2024/03/24
ゆう
26
自殺願望を持ち、未遂もしている少女ジェーンが飛行機墜落事故に遭遇し、生き残った。もう一人の生き残りの青年ポールとともになんとか雪山から脱出しようとする。死にたがりだったジェーンが生き延びるためにどうするか、生きるために頑張る姿にジーンとくる。最初はジェーンもポールもどうなのよ、な感じだったけど、過酷な状況の中でどんどん成長していくのが分かるからそんな気持ちはなくなっていった。ジェーンの想いが変わったのは間違いなくポールの存在があったから。それだけにこの結末は…こうなりそうな予感があったけど、辛いよ。2016/05/05
barabara
23
もう少し主人公の絶望感がリアルに伝わる運びがあればよかったかも。物語全体は想像より遥かにスピーディーな動き、ハラハラ感、サスペンスフルで楽しめた。最後は二人で前を向いて欲しかったが、この後の強い前進を思うと、この結果でよかったのかな。2016/01/18
らす
15
飛行機内で自殺をしようとしていたジェーンの乗った飛行機が墜落してしまう。生き残ったのはジェーンとひとりの青年だけ。ジェーンは雪山の中で青年を助けるために生きる意欲を取り戻していく。ジェーンがネガティブ過ぎてなかなか感情移入出来なかったけど、事故に遭遇してからジェーンの気持ちが生きるために変化していくのは良かった。全体的に暗い話なので、読むのがちょっと疲れた。もっと元気な時に読めば良かったかな。2016/01/09
うたかたの日々
11
女子大生と共作・・・と書いてあってなんだかとか思いながら読み始めると、自殺願望の話で最初はイライラさせて読むのやめようかと挫折しそうでしたが、遭難以降の話は展開がかわりどんどん引き込まれ楽しめました。2017/07/08




