内容説明
母さんが死に、施設に引き取られたわたしと妹のもとに、三年前に離婚して親権も放棄したウェイドが現われた。母さんからはいつもウェイドは野球に挫折した負け犬だと聞かされていたが、ほんとうはもっとひどかった。ウェイドは泥棒でもあったのだ。すぐに彼と盗んだ金を何者かが追ってくる。やむなくわたしたちはウェイドとともに旅に出るが…波乱の逃避行の末に父娘の絆は取り戻されるのか?実力派が描く感動の物語。
著者等紹介
キャッシュ,ワイリー[キャッシュ,ワイリー] [Cash,Wiley]
アメリカ、ノース・カロライナ州生まれ。ルイジアナ大学ラファイエット校で国文学の博士号を取得。創作の教鞭を執りながら執筆活動を開始し、2012年にデビュー作のA Land More Kind than Homeで英国推理作家協会(CWA)賞の最優秀新人賞(ジョン・クリーシー賞)を獲得した。現在はノース・カロライナ州ウィルミントンに妻と共に住んでいる
友廣純[トモヒロジュン]
1974年生、旧東京都立大学史学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
60
2014年英国CWA賞ゴールド・ダガー賞受賞。純粋なミステリーではないとあちこちに書かれていたように「殺し屋に追われた逃亡劇」だけではないストーリーでした。母が死に、施設に引き取られた12歳のイースターと妹のルビー7歳。突然現れた父親は泥棒でもあり、一緒に逃亡することに…。そのストーリーよりも、父と娘の不器用でもどかしい関係が魅力でした。情けない父親と、これからが楽しみな娘。風景や街の描写も丁寧で、静かな読後感です。2020/05/03
坊っちゃん
14
★★★★1/2 悪党の金をついちょろまかしちゃった元野球選手のダメ親父と今は養護施設に預けられている娘二人の逃避行。読後に余韻を残す素晴らしい作品で、ついホロリ。最近の同じような話に『11月に去りし者』や『拳銃使いの娘』があって話題になったが、作品としてはこちらの方が断然上。たくさんの人に読まれたい傑作。(コメント:2020/05/26) 2020/05/26
Yoko
13
とても良かった。まるでロードムービーのような作品。読みながら登場人物やアメリカ南部の景色を自然と脳内で映像にしていました。登場人物の主観が入れ替わり親と子、喪失と再生をクライムサスペンスを織り交ぜつつ語ります。読後感の良い作品。2014/11/28
けいちゃっぷ
11
表紙をロクに見もしないで買ってしまっていたのだが、こういう表紙は嫌いなんだよ。 子供と暮らしたいという父親の一方的な心情は理解できないこともないが、すでに手遅れじゃないかな。 ダメ親父をスーパーマンにみせかけようと作者は努力しているようだが。 わざとハラハラさせようという雰囲気も感じられて読むのが疲れた。 384ページ 2016/05/11
siva
10
情けない父親だけれど、娘たちへの愛情は切ない。ただ本当に娘のためを思ったら・・と考えると自分のために娘といたい、というようにも受け取れるけれど。年の割に大人びてしまった長女が切ない。2014/07/17