内容説明
1905年、ニューヨーク郊外で猟奇殺人が発生。被害者の女性は刃物で切り裂かれたうえ、鈍器でめった打ちにされており、現場は筆舌に尽くし難い惨状だった。捜査を開始した刑事のジールは、犯罪者の行動と心理を研究するシンクレア教授なる人物から連絡を受ける。事件前に今回の手口と酷似した妄想を語っていた男がいるというのだが…サイコ・サスペンスと歴史ミステリを見事に融合させた、アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作。
著者等紹介
ピントフ,ステファニー[ピントフ,ステファニー][Pintoff,Stefanie]
コロンビア大学ロースクールを卒業し、ニューヨーク大学で文学博士号を取得。検事、教職などを経て、2009年のデビュー作『邪悪』で、セント・マーティンズ社とアメリカ探偵作家クラブが共催した第1回ミナトーブックス・ミステリコンテストの第一席を獲得。同書はアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞に輝いたほか、アガサ賞、アンソニー賞、マカヴィティー賞の各新人賞にもノミネートされるなど高い評価を得た。夫と娘とともに、ニューヨーク市マンハッタンで暮らしている
七搦理美子[ナナカラゲリミコ]
津田塾大学国際関係学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
75
20世紀初頭のアメリカを舞台にした歴史&サイコミステリー。最後まで読むと題名の意味が本当に重すぎる。黒人や遊行人、娼婦への差別、才媛な女性への男性の嫉妬、犯罪捜査の未熟さや差別による視野狭窄などの警察の無能さで生まれてしまった「邪悪」に胸が詰まります。自分の研究対象であったフロムリーを犯人だと仄めかすシンクレアに「HANNIBAL2でランドール・ティアーズのことを密告するレクター博士みたいだな・・・」と思っていたらレクター博士よりも性質が悪かったです。個人的に登場人物表にも出ていない賭博師ニックが気になる2015/10/12
Bugsy Malone
44
凄惨な殺人事件の捜査にあたるジール刑事が、犯罪心理を研究するシンクレア教授から連絡を受けるところから物語は始動する。舞台は1905年ニューヨークの校外。それぞれの事情を抱えながら協力して犯人の行方を追う。ストーリーには真新しさは感じられないものの、110年前のプロファイリング黎明期という時代背景は面白く、中々に読み応えのある作品でした。2015/11/20
GaGa
31
正直、これがアメリカ探偵作家クラブ受賞作か?と首を傾げたくなった。いたってオーソドックスな正統派ミステリー。主人公はドブソン警察のジール。この人が一応悲しい過去を持つが、どうにも没個性。さらには1905年のNYが舞台なのだが、その時代背景の描写が徹底的に抜けている。作者はこれがデビュー作とのこと。今やミステリーに関しては日本の新人コンテストの方がレベルは高そう。2011/03/15
ふ~@豆板醤
26
途中で他の本と併読したりして間空いた後、登場人物がわからなくなってしまった。。メモ取りながら一気に読まないとダメな本でしたね(゜゜)再読せねば!2016/09/28
あっちゃん
24
刑事と犯罪心理学を研究する教授が捜査する100年前のニューヨークが舞台!今の日本のミステリーでは聞いたことがある組み合わせだけど(笑)この時代設定のミステリーは私的には得意じゃないなぁ( ̄ー ̄)2024/10/13