内容説明
伝統ある男子校セント=オズワルド校で不可解な事件が次々と起きる。人種差別を糾弾する落書き、アレルギーをもつ生徒の昏倒、教師は交通違反を密告された。最初は小さな事件に過ぎなかったが、職員の不祥事が新聞に書き立てられ、やがて生徒の一人が失踪するにおよび、学園は危機に陥る。学園を愛する老教師は一連の事件の裏で何者かが糸を引いていると睨み、見えざる敵に挑む…学園を舞台に息づまる頭脳戦が展開する。
著者等紹介
ハリス,ジョアン[ハリス,ジョアン][Harris,Joanne]
1964年サウスヨークシャーのバーンズリー生まれ。父はイギリス人、母はフランス人で、ともに教師だった。自身もケンブリッジ大学セントキャサリン・カレッジ卒業後、教職につく。その間にThe Evil Seed(1989)、Sleep,Pale Sister(1993)、そして『ショコラ』(1999)を発表。『ショコラ』がベストセラーになり、ラッセ・ハルストレム監督、ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ主演で映画化もされたことから、作家専業となった。『紳士たちの遊戯』は、2005年に発表され、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)のエドガー賞最優秀長篇賞候補になるなど高い評価を受けている
古賀弥生[コガヤヨイ]
東京女子大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
31
英国のグラマースクール(男子校)が舞台のスリラー。名門校に新任教師として赴任する「わたし」と、六十五歳になる古参教師の「わたし」の二人の一人称で書かれている。正直五分の一も読んだところで犯人である前者の「わたし」の目星はついたが、読み進めるうちにその過去や動機などがじわじわと浮き彫りになっていく様はなかなかスリリングで読み応えあり。2011/04/16
なにも
8
「どんな学校も多少は修羅場である。」ほんと、まったくもってその通り。面白かった。理不尽さとどうしようもない怒りを感じたけれど、何故かそれは馴染み深いもので、奇妙としかいいようがない。愛情や誇りを感じると同時に、憎しみや軽蔑を覚えるあの場所。どうしてあの子はこんなちっぽけな世界に囚われていたのだろう。ストレートリー先生の、先生らしい人間臭さが好き。2019/08/09
鉄髭
1
チェスをモチーフとした、表紙やその小説の構成が表しているほど、頭脳戦や心理戦といったノリでは無かったけれども、嫌らしくて面白い作品ではあった。もうタイトルからして嫌らしい。2010/03/15
chappy
0
ちょっと忙しくて、読むのに時間が掛かりましたが、一言、「素晴らしい!!」ジョアン・ハリスがミステリー!!?なんて思ってたけど、この人らしい文章はそのままで、ミステリー自体も面白過ぎて、ますますこの人が大好きに!もっと、この人の本が翻訳されればいいのに....物語は2人の登場人物の視点で交互に進んでいきますが、すっかり騙されました! 鋭い方は気づいたのかもしれませんが、私はレオンと一緒にちくしょう!って感じです笑 あと、読み終わった時、映画「ユージュアルサスペクト」の最後のシーンが頭に浮かびました。2014/07/02