内容説明
凄腕の殺し屋マイケルは、ガールフレンドのエレナの妊娠を機に、組織を抜けようと誓った。育ての親であるボスの了承は得たが、その手下のギャングたちは足抜けする彼への殺意を隠さない。ボスの死期が近く、その影響力は消えつつあったのだ。エレナの周辺に刺客が迫り、さらには、かつて孤児院で共に育ち、その後生き別れとなっていた弟ジュリアンまでが敵のターゲットに!―ミステリ界の新帝王が放つ、緊迫のスリラー。
著者等紹介
ハート,ジョン[ハート,ジョン][Hart,John]
1965年、ノース・カロライナ州生まれ。アメリカで現在最も勢いのある作家。ミステリ界の「新帝王」と呼ばれる。2006年に北米最高のミステリ賞であるアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀新人賞候補作『キングの死』で華々しくデビュー。その後、2007年発表の第二長篇『川は静かに流れ』で、同賞の最優秀長篇賞に輝いた。2009年の第三長篇『ラスト・チャイルド』(以上、早川書房刊)は、MWA賞最優秀長篇賞および英国推理作家協会(CWA)賞最優秀スリラー賞をダブル受賞した
東野さやか[ヒガシノサヤカ]
上智大学外国語学部英語学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
109
作者のジョン・ハートのテーマには、子供が筆舌に尽くし難いほどの暴力を繰り返しうけた場合に怪物化することがあるようだ。ジュリアンの心の傷の深さが痛々しいが、愛してくれる人たちの献身でなんとか回復して欲しいと願う。エレナは、いくらなんでもうるさすぎると思っていたら、罰を受けることになりかわいそうだな。すぐに下巻に。2021/02/06
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
28
悲惨な子供時代を送った殺し屋マイケルの組織からの離脱はうまくいくのか。守りたい人は恋人と弟。二人共守られなければいけない理由はマイケルが殺し屋だったからなのだけど。banana fishみたいなスピード感。面白すぎて一気読み。下巻へゴー!2017/12/01
きょちょ
25
主人公である殺し屋マイケルは、堅気になろうとして組織に追われることになる。 ところがどうもこれは本筋ではなさそうだ。 養子に行った彼の弟も狙われており、弟を助けるためにその家に向かってから新たな展開が・・・。 近くに住む不思議な母娘の正体は? そして彼らの施設時代の話と絡みそうだ。 何せ、題名が施設の名前なのだから。 下巻に期待。 ★★★2019/03/24
YOS1968
8
楽しみにしていたジョン・ハート作品。殺し屋の恋。過酷な反社会組織から抜け出そうとする主人公。ただじゃ済まないだろうと思っていたら、予想を上回る激しさ。物語はハードに展開する。恋人との逃避行、孤児施設で生き別れになった弟との再会。追いかけてくる殺し屋。もう、たいへんです。下巻へ急ぐべし。2012/04/06
キミ兄
7
主人公がギャングという新しい路線。家族がベースになっているところは外さない。相変わらずの劇場型進行(笑)で下巻へ進む。☆☆☆。2017/02/15